2024.11.12

あるべき顧客体験の実現へ パナソニック コネクトのグローバルPIM導入を支援

パナソニック コネクト株式会社

パナソニック コネクトは、DCX(デジタルカスタマーエクスペリエンス)ビジョンに基づいて顧客接点を最適化し、顧客価値を基点とするマーケティングに取り組んでいます。電通デジタルは、あるべき顧客体験の実現を支えるグローバルPIM(商品情報管理)の構築を支援しています。グローバルPIM構築の背景と目指す姿について、パナソニック コネクトと電通デジタルに話を聞きました。

  • グローバルにおいて、地域ごとに製品情報データを管理していたが、最新の情報が反映されにくい、ある地域の拠点にだけ情報が届いていないといった事態が発生することがあった
  • 製品情報がパナソニック コネクト以外の企業にも散在しており、相当数のバリエーションが存在するため、一括管理できていなかった

  • Contentservにより、グローバルPIMシステムを構築・導入
  • グローバルでの一貫したプロセス、データガバナンス、国際化対応を提供
  • それぞれの地域の実情や文化を尊重しつつ、プロトタイピング型のプロジェクトマネジメントで要件定義からローンチまで、伴走型支援を実施
  • あらゆるチャネルでの顧客接点において、一貫したコンテンツ配信ができるよう、デジタルアセットの効率的な管理を実現

  • 製品情報管理に関して、各地域の管理工数の削減に貢献
  • マーケティングに加えて、カスタマーサクセスなども継続的にサポート
  • DCXを最適化し、関連する事業を成長させるための伴走支援

DCXにおける製品情報管理の課題

――DCX(デジタルカスタマーエクスペリエンス)における3つのキーワード、「あるべき顧客体験」「顧客情報」「製品情報」をどのように捉えていますか?

パナソニック コネクト・関口昭如氏:当社の事業領域は広範にわたり、事業ごとに顧客の捉え方が異なります。特にB to Bでは顧客の対象が複雑で、担当者に加えて組織の意向という視点が入ってきます。顧客情報を活用してこれらをきちんと捉えた上で、企業の資材調達、製品設計、製品開発など、さまざまな部署の方たちに向けて、顧客体験(従業員体験)をあるべき姿に最適化したいと考えています。

従来、B to Bマーケティングでは営業が唯一の顧客接点という時代が長らく続きましたが、デジタル化が進んだ現在、顧客企業においても、自分で調べられる情報は自分の好きなタイミングで、納得するまで調べたいという担当者の方が非常に増えています。そうした顧客体験を向上させるための核となるのが、製品情報です。正しく、スピーディに探したい情報にたどり着ける状況を提供することは非常に重要と考えて、顧客体験改善と顧客価値を基点としたマーケティングを進めています。

――グローバルでビジネスを展開する中で、製品情報管理にはどのような課題がありましたか?

関口:従来は、地域ごとに製品情報データを管理していたため、最新の製品情報が反映されにくい、ある地域の拠点にしか情報が届いていないといった事態が発生することもありました。そうした課題を克服するために導入したのが、グローバルPIM(Product Information Management)という、グローバルのすべての地域において製品情報を一括管理するシステムです。

製品情報は当社が所有している以外にも、たとえばパートナー企業が独自に情報を加工して顧客に提供している情報もあり、相当数のバリエーションが存在します。理想は、散在している製品情報をすべてグローバルPIMで管理し、我々のオウンドメディアだけでなく、パートナー企業が持つメディア情報も含めて、いかにタイムリーにアップデートしていくかが、全体的なビジョンとしてあります。

関口 昭如氏(パナソニック コネクト株式会社 デザイン&マーケティング本部・デジタルカスタマーエクスペリエンス統括部 統括部長)

プロトタイピング型でContentservによるグローバルPIMシステムを構築

――グローバルPIM構築を目指すうえで、電通デジタルを協業パートナーに選ばれた理由をお聞かせください。

関口:Contentservの実装支援をされていること、かつグローバルでの対応が可能なところです。私とグローバルPIM構築を担当する斉藤も、PIMに20年近く取り組んでいて、管理システムのスクラッチ開発もパッケージソリューションも経験がありますが、Contentservは当社の環境に合致し、PIMとして満足できるソリューションでしたので、Contentservを利用し、グローバルでのグローバルPIM構築と運用のサポートをいただけることが、大きな決め手となりました。

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パナソニック コネクト・斉藤寛公氏(デザイン&マーケティング本部 デジタルカスタマーエクスペリエンス統括部 DCX&WEB課/オンラインにて取材参加 ):あともう一つ、今回の案件以前にパナソニック コネクトの国内パートナー向けポータルサイトでContentservを導入した際、電通デジタルにサポートしていただいた実績があったということも理由です。Webサイト構築と並行して、製品情報とタグを連携するための仕組みとして、Contentservを導入していただきました。

――今回、Contentservを利用したグローバルPIMの導入に関して、電通デジタルからはどのような提案をしましたか?

電通デジタル・鈴木大介:国内パートナー向けポータルサイトのプロジェクトでの知見を踏まえて、プロトタイピング型プロジェクトマネジメントを提案しました。また、社内ではグローバルプロジェクトに対応できるメンバーをアサインし、盤石なプロジェクト体制を敷きました。

――プロトタイピング型とはどのような方法ですか?

鈴木:プロトタイピング型は名前のとおり、プロトタイピングのフェーズにおいて、Contentservの環境を活用しながら、要件の確認や試験的な環境構築を行い、クライアント企業にローンチ後の運用イメージを見ていただきながら要件定義を進めていただく点が特長です。

プロトタイピング型のメリットは3つあります。1つ目は、要件齟齬のリスク低減です。構築フェーズ以降での要件齟齬の発生によるプロジェクト遅延、コスト増大などのリスクを抑えることができます。2つ目は、運用イメージがつきやすいこと。3つ目は、スモールスタートが可能であること。たとえば、特定の部署や地域で限定的に導入し、運用の評価・検証を行ったうえで全体導入を進めることが可能です。

関口:プロトタイピング型での導入は今回が初めてだったのですが、早くに実物が見られるので、安心感がありました。

斉藤:体感的には従来の導入までの期間の1/2程度で実施していただいた感覚があり、プロトタイピング型の導入は全体スケジュールの短縮にもかなり貢献していると思っています。

――他に、電通デジタルならではの強みを発揮できたポイントは何かありますか。

鈴木:グローバルで対応できる点、技術力とプロジェクトマネジメント力が高い点は、大きな強みだと思います。グローバルのプロジェクトは、それぞれの地域の実情や文化を尊重しつつも、重要なことはしっかりと主張しなければなりませんので、バイリンガルであるだけではなく、技術的なこともわかり、きちんとお客様とお話ができる素養を兼ね備えたメンバーをアサインしています。そうしたことに関して我々は多くの知見を持っており、安心して対応を任せていただけたのではないかと思っています。

鈴木 大介(電通デジタル テクノロジートランスフォーメーション第1部門 CXプラットフォームデザイン事業部)

関口:今回のプロジェクトは、斉藤とヨーロッパにいる海外メンバーの「ダブル PMO体制」で進めていました。情報のインプットは日本に集中しますが、アメリカ・ヨーロッパ・アジア・オセアニア地域にも事業部がありますので、要件を取りまとめる必要がありました。その調整を電通デジタルに担っていただいたことで、要件定義が非常にスムーズに進み、とても助かりました。

DCXを最適化し、関連事業を成長させるための伴走支援を

――グローバルPIMの今後の展望をお聞かせください。

関口:システム構築中の段階なので、明確な成果はまだ上がっていないのですが、製品情報管理において、基本はグローバルで共通、地域ごとに必要な部分だけリージョナライズされる形になるので、各地域の製品情報管理工数は大きく減っていくと思います。今回のプロジェクトによって、必要な情報を必要な人に届けることが可能になります。次の段階として顧客体験の改善を進めていきたいと考えています。

――電通デジタルにはどのようなことを期待されますか?

関口:電通デジタルの強みであるデジタルマーケティングの知見を活かしていただきたいです。今後、当社がグローバル事業領域において、No.1エクスペリエンスカンパニーになるためのさまざまな支援をいただけることを非常に期待しております。

斉藤:今はグローバルPIMという製品情報関連領域でご支援いただいていますが、マーケティングに加えてカスタマーサクセスなどの領域や、引き続きグローバルでの活動もサポートいただきたいです。

――その期待に電通デジタルはどのように応えていきますか?

鈴木:グローバルPIM稼働後、たとえばWebサイトに展開する、MAと接続する、AIと接続するといったマーケティング活用の世界においても、ぜひお力添えしたいと思っています。DCXを進めるための基盤としてのグローバルPIM、そしてそれを支えるContentservを活用してDCXを最適化し、関連する事業を成長させるために何をすれば良いのか、グローバルはもちろん国内においても、引き続き伴走支援をしていきたいです。

――グローバルな製品情報管理に課題感を持っている日本企業の担当者の方に向けてメッセージをお願いします。

鈴木:グローバルでのマーケティング活動を効率化したいとお考えの企業は非常に多いと思います。フロントエンドだけでなく、マーケティング、業務プロセスのデータの基盤を整えることは大事ですし、そこを整えることで、初めて顧客体験の改善に工数や時間、予算を割く余力が生まれてきます。

これから先、AIを本格的に活用するためにはデータの整備が必要不可欠です。顧客データ、製品データの双方を等しく意識し、データ基盤の構築からデータ活用までをお考えの際は、ぜひ電通デジタルにお声がけください。

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テクノロジートランスフォーメーション第1部門 CXプラットフォームデザイン事業部

鈴木 大介

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