NPO法人日本パラ・パワーリフティング連盟との連携により実現した、パラスポーツを個人がロゴスポンサーとして支援できるプロジェクト『ロゴで応援!People-Sponsored Logo』が、世界最大のクリエイティビティの祭典「カンヌライオンズ2023」Media部門で当社初のショートリストを受賞しました。“スポーツ選手のユニフォームは不可侵領域”という常識に挑んだこの取り組みの背景について、企画した石田沙綾子に話を聞きました。
本取り組みは、クラウドファンディングで競技を支援してくれた人が、個人スポンサーロゴをAIサポートにより簡単に作ることができ、企業スポンサーのように選手のユニフォームに載せることができる仕組み。企画した石田は「パラスポーツでは協会運営や選手の練習に支援金が必要であるという課題を知った。選手の動きが少なく、胸部やユニフォームが象徴的に映るパラ・パワーリフティングとはとても相性が良いというアドバイスなど、たくさんの方々の協力のもとプロジェクトを進めることができた」と話します。
ユニフォームから「世界と戦う、日本を代表する選手である」ということをデザインでも体現すべく、日本の伝統である“文様”に着目。クラウドファンディングの支援者から寄せられた100個のロゴが集合体として美しく見えるよう、幾多のパターンを検証しました。完成した個々人のネーム入りロゴが刻まれたユニフォームは、選手との結びつきを高めるものとなり、一人一人の名前を読み上げて試合に臨む選手もいました。
本来は企業スポンサーのロゴが掲載されるユニフォームはクリエイティブが入れない領域で、個人のロゴを掲載することは難しいのでないか、という声も企画段階では上がっていたといいます。「選手や連盟の方々がデザインやその意味をとても気に入ってくださり、推進・着用してくださった。連盟の方のチャレンジ精神に加え、電通デジタルのAI開発力やクリエイティブのスキルで成し遂げたプロジェクト」と石田は話します。