プレスリリース

生活者は9割以上の手続きでオンラインなど人を介さない手段を希望 業界×手続き種類別の利用経験や意向を調査

-リテールDX調査(2023年版・3業種)を発表-

2023.12.20

株式会社電通デジタル(本社:東京都港区 代表取締役社長執行役員:瀧本 恒 以下、電通デジタル)は、リテール業界において加速的に進行しているDXへの支援に向け、生活者の実態について調査すべく「リテールDX調査(2023年版)」を実施しました。本調査では、多くの手続きでオンラインなど人を介さない手段を今後利用したいと考えている一方、臨機応変な対応が求められる手続きについては無人を求める割合が低い傾向が見えてきました。本プレスリリースでは、調査結果の一部を発表します。

なお、詳細な調査データを記載したホワイトペーパーはこちらのフォームから無料ダウンロードが可能です。

URLリテールDX調査(2023年版・3業種)

調査の実施背景と目的

新型コロナウイルス感染症の流行などを契機に、企業のもつさまざまな顧客接点のデジタル化が急速に進み、さらにAIチャットボットやビデオ通話等のデジタルツールの浸透も追い風となり、行政・民間問わずさまざまな手続きをオンラインで行うことができるようになりました。その一方で、これまでのような店舗や担当者による対応を縮小・終了しデジタル化してしまうことで、時に生活者にとっては「使いづらい」「不親切」といったマイナスな印象を与えてしまう懸念があります。企業としては、一方的にデジタル化を進めるだけではなく、その顧客接点が持つ役割や状況に応じて、生活者にとって最適な方法を提供することが必要です。

こうした中、電通デジタルでは生活者にとって身近で、さまざまな手続きが発生する機会の多い「銀行」「生命保険」「通信」の3つの業種を対象に、それぞれ代表的な5つの手続きで、「店舗や担当者による有人の手続き」もしくは「デジタル接点などの無人の手続き」のどちらを求めるのか、またそれを選好する理由について定量調査で明らかにしました。

本調査結果まとめと考察

調査対象の計15種類の手続きのうち14種類において、それぞれ半数以上が今後手続きを行う際には「オンライン手続きなどの人や店舗を介さない手段を利用したい」と回答したことから、多くの生活者は「デジタル接点などの無人の手段」を求めていることがわかりました。
その理由として、どの手段でも「効率的だから」「自分のペースで出来るから」「有人対応だと時間がかかるから」が上位を占めました。

また、過去にオンラインなどの無人手続きを利用したことがある方と利用したことが無い方では、今後の手続きにおける無人手続きの利用意向に34.3ptの差が生まれており、過去の利用経験が、今後の手続きの利用意向にも影響あたえ、過去にオンライン手続きなど無人手続きを利用した方は、今後も継続して無人手続きを利用する意向が強いことがわかりました。

手続きの種類別の結果では、業界にかかわらず、住所変更などの目的や方法が明確でシンプルな手続きは無人を求める割合が高く、契約の相談やトラブル時の対応などの臨機応変な対応が求められる手続きは、無人を求める割合が低いといった共通点があったことから、有人と無人の手続きのどちらを求めるかは手続きの複雑性が影響していると考えられます。

手続きの方法別の結果では、近年増加しているAIチャットボットやビデオ通話などの手続き手段の利用経験率は低く、一般の利用者にはまだ定着していないことが伺えます。

近年の企業のCRM活動の潮流として、店舗やコールセンターなどの顧客接点のデジタル化が推進されていますが、あらゆる顧客接点や手続きを画一的にデジタル化、無人化するのではなく、手続きの性質や利用者の状態に応じて、最適な手段やユーザーエクスペリエンス(UX)を提供することが重要です。

主な調査結果

1. 今後の利用意向

■今後の手続きでは、店舗など有人手続き(38.8%)よりもオンラインなど無人手続き手段を利用したい割合(61.2%)が高い

Q. 今後あなた自身で手続きを行う必要が発生した際に、どのような手段・方法で行いたいと思いますか。最もあてはまるものをご回答ください。(合計回答数=9,640件)
※3業界計15種類の手続きにおける回答を合算し、加重平均し割合を算出

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2. オンラインなどの無人手続きを求める理由

■ どの手続きでも「効率的」「自分のペースでできる」「有人対応は時間がかかる」が上位に

Q. (オフラインなどの無人手続きを利用したいと回答した方に対して)回答の理由として近いものを最大3つまでお選びください。(合計回答数=5,900件)
※3業界計15種類の手続きにおける回答を合算し、加重平均し割合を算出

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3. 無人手続き利用経験者の今後の利用意向

■ 過去の利用経験が、今後の手続きの利用意向にも影響。過去にオンラインなどの無人手続きを利用したことがある方と利用したことが無い方では、今後の手続きにおける無人手続きの利用意向に34.3ptの差が生まれている。過去にオンライン手続きなど無人手続きを利用した方は、今後も継続して無人手続きを利用する意向が強いことがわかる。

Q. 今後あなた自身で手続きを行う必要が発生した際に、どのような手段・方法で行いたいと思いますか。最もあてはまるものをご回答ください。(回答数=上グラフ6,209件/下グラフ3,436件)
※3業界計15種類の手続きにおける回答を合算し、加重平均し割合を算出
※(上グラフ)過去に行った手続きの回答にて、無人手続きの手段を選択していない方に絞り込み、今後の利用意向を算出
※(下グラフ)過去に行った手続き方法の回答にて、無人手続きの手段を1つ以上選択した方に絞り込み、今後の利用意向を算出

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4. 手続き種類別の今後の利用意向

■手続きの性質により今後の利用意向が異なる。住所変更・銀行の口座開設など手続きの内容が明確な手続き(図内赤枠)は無人手続きを求める傾向が強い一方で、相談・契約・トラブル対応など臨機応変な対応が求められる手続き(図内青枠)ではその傾向は弱く、有人の手続きを求める声も多い。

Q. 今後あなた自身で手続きを行う必要が発生した際に、どのような手段・方法で行いたいと思いますか。最もあてはまるものをご回答ください。(回答者数=銀行676人/生命保険541人/通信711人)

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5. 過去に利用したことがある手続き手段

■ビデオ通話やAIチャットボットの利用経験率は未だに5%を下回っており、現時点では一般には定着せず

Q.過去にご自身が行った手段・方法に関して、あてはまるものすべてにご回答ください。(回答数=9,640件)
※3業界計15種類の手続きにおける回答を合算し、加重平均し割合を算出

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電通デジタルは本調査の結果を踏まえ、オフライン・オンライン問わない顧客コミュニケーション設計に加え、そこで働くスタッフの従業員体験の最適化も視野に入れ、課題精査や顧客体験設計、マーケティングシナリオ作成などのサービスを通して、リテール事業者に対する本質的な事業変革を目的としたDX推進と、その先にいる生活者に寄り添った顧客体験の実現に貢献してまいります。
今後もリテール業界に求められる顧客への新たな価値提供を創造し、短期での成果創出と中期的なビジネス変革の両輪を目指します。


調査概要

調査対象者18~69歳の男女
算出用サンプル数1200サンプル(年代・性別ごとに120サンプル)
調査対象者の住所東京都、名古屋市、大阪市
調査対象者の職業会社員、パート/アルバイト、自営業/自由業、公務員、医療関係者、専業主婦・主夫、学生、年金が主な収入の方、お勤めでない方、その他
調査時期2023年9月12日~9月14日
主な調査項目
  • 銀行に関する手続き
    新規口座開設の手続き/住所変更などの諸手続き/カード紛失などのトラブル時の手続き/資産運用やローンなど、金融商品に関する相談や見直し/金融資産やローンなど金融資産の契約(購入)手続き
  • 生命保険に関する手続き
    契約の相談やお見積り/契約の手続き/保険金・給付金の請求手続き/住所変更などの諸手続き/保険証券の紛失などのトラブル時の手続き
  • 通信に関する手続き
    料金プランの契約(MNPによる転入含)の相談や料金シミュレーション/端末の購入/新規契約手続き/住所変更などの諸手続き/スマートフォン・携帯電話の紛失などトラブル時の手続き
  • 上記の計15種類の手続きに関して
    過去に利用した手続き手段
    今後利用したい手続き手段とその選択理由

以上

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