連載|世界を変えるトランスフォーメーションカンパニーへ

【#03】顧客基点のDXをテクノロジーの力で推進する

2022年1月に「トランスフォーメーション領域」を新設した電通デジタル。この体制強化を通じ、企業の唯一無二のDXパートナーとして事業成長に貢献し、よりよい世界をつくり出すことを目指しています。トランスフォーメーションカンパニーへと進化を遂げる電通デジタルの取り組みやそこで働く魅力を、3回にわたって紹介します。

出典:ビズリーチ 公募ページ「株式会社電通デジタル」(2022年8月25日公開)より転載

デジタルマーケティングのリーディングカンパニーとして、コンサルティングから事業開発、実行支援まで統合的な価値を提供する電通デジタル。そのなかでテクノロジートランスフォーメーション部門は、顧客基点のDX(デジタルトランスフォーメーション)をテクノロジーの力によって推進することをミッションとしています。テクノロジートランスフォーメーション部門の強みや担う領域について、同部門をリードする部門長と、各事業部長の3名にお話を伺いました。

幅広い領域でテクノロジーを活用し、改革をリードするTX部門

テクノロジートランスフォーメーション部門 部門長
越久村 克士


──はじめに、テクノロジートランスフォーメーション部門(以下、TX部門)の役割を教えてください。

TX部門は、電通デジタルにおけるテクノロジー基点の改革をリードする部門です。テクノロジーを活用し、顧客基点のDXを実現するというミッションを掲げ、現在は6事業部170名超の体制で臨んでいます。

私たちが挑む「顧客基点のDX」には、全体戦略の立案から構想・設計・構築、実際の活用までのフローがあり、必要なものには全て関わります。具体的には、ITデザインやプラットフォーム構想、その先のCRM(顧客関係管理)やCDP(顧客データ基盤)の構想、さらにオウンドメディアやオウンドECの設計、それらの活用・改善などが挙げられます。サービスデザインやUXデザイン、アド活用や改善まで手がける場合もあり、関わる領域はかなり広いです。

──現在は、どのような領域に注力されているのでしょうか。

TX部門では、自社でECの構築・運用を行う企業を支援する「ユニファイドコマース」、最適な顧客体験を提供する一翼を担う「次世代コンタクトセンター」、エンドユーザーの行動履歴や情報を違和感なく提供していただくため、UX設計や適切な管理基盤を改善する「1stパーティデータ収集活用サービス」の3点に力を入れています。

──TX部門の強みや電通デジタル独自の提供価値を教えてください。

私たちのバリューは、ビジネスのゴールを実現するための「提案力」、ビジネスのゴールをテクノロジーに変換する「設計力」、顧客に寄り添う「活用支援力」、そして新テクノロジーへの「チャレンジマインド」の4つです。

パートナーシップも含めたケイパビリティは国内でも最大級ではないかと自負しています。対応する範囲が幅広いため、広告会社やコンサルティングファーム、SIerなどが競合となりますが、そのなかでITコンサルティングとマーケティングの両方の機能をバランスよく持ち、業務効率化のDXではなく、顧客基点のDXを実現できるのは電通デジタルの強みだと考えています。

例えば、各種サービスの提供が実店舗からオンラインへ移行しつつある金融機関でのDXでは、私たちが窓口での接客に代わるデジタルデータの分析・活用を行い、それに資する設計・デザインといった施策を展開しました。もともとの強みである、顧客が求める情報や金融商品に関わる広告の最適化を含めて支援した事例の一つです。この他にも、アパレルや化粧品会社のEコマース構築や、MR(医薬情報担当者)の営業活動を支援する製薬会社向けのBtoBサービスの構築など、あらゆる業界のDXを手がけています。

TX部門のメンバーのバックグラウンドは、ITコンサルタントやSE、マーケティングプランナーなど多種多様です。各領域に強みを持ったメンバーが集まっていることで、包括的な支援につながっていると思います。

私たちの事業にはコンサルティング力とマーケティング力のどちらも求められますが、最初から両方を持ち合わせた人材は多くありません。また、プロジェクトでは個人の強みを融合し、チームとして成果を出そうとしており、その過程で足りないスキルも得られるので、いずれかを持っている方であれば活躍していただけます。

多様な人材が活躍するチームを育て、クライアントの一番のパートナーへ

──TX部門のビジョンを教えてください。

クライアントの事業成長・課題解決における一番のパートナーとなり、テクノロジーを活用してそれらを実現することが、私たちのビジョンです。

昨今はマーケティング活動においても、SDGsや企業の社会的責任を考慮することが求められています。そのなかで企業は、商品やサービスを売るだけではなく、市場活動を通じて社会・消費者にとって心地良い存在を目指す必要があり、その過程でテクノロジーの活用領域は広がっていきます。私たちTX部門はそうしたテクノロジーの活用を支える中心的な存在になるべきだと考えています。

──今回の募集背景と求める人物像を教えてください。

現在、お客様からのニーズに対して人材が不足しており、全面的な人材強化が必要です。また、採用においては「電通デジタル」という名前から、デジタル広告の専門会社だと思われることも少なくありません。電通デジタルがテクノロジーに真摯に取り組んでおり、多くの企業と実績を重ね、技術面でも高く評価されていることをより多くの方に知っていただければと思います。

求めているのは、新しい挑戦に興味を持てる方です。電通デジタルはチームで価値を高めていく組織なので、多様な人材がアイデアを出し合いながら仕事を進めることを楽しめる方や、その価値観に共感していただける方であれば一層活躍できるでしょう。

コンサルティング領域の職種においては、これまでクライアントワークをされてきた方が望ましいです。一方、エンジニアとしては、最低2~3年の実務経験を想定しています。経験内容については、プログラミングだけでなく、設計や要件定義といった上位レイヤーの仕事に携わったことがある方を求めています。

顧客体験とテクノロジーのプロとして部門間のハブになる

テクノロジートランスフォーメーション部門
コミュニケーションプラットフォームデザイン事業部 事業部長
杉尾 直高


──コミュニケーションプラットフォームデザイン事業部の役割を教えてください。

コミュニケーションプラットフォームデザイン事業部は、TX部門の一部署です。オウンドメディアを中心とした顧客接点から発生するマーケティング施策のプランニングや、施策実行のためのプラットフォーム選定・構築を行い、顧客体験の最適化を図ります。

TX部門全体で見ると、私たちはハブのような役割を果たします。他の部門のコンサルタントが描いた構想をTX部門がテクノロジーに落とし込んでいくとき、その間にギャップが生じることがあります。テクノロジーと顧客体験双方を理解するコミュニケーションプラットフォームデザイン事業部は、そのギャップを埋め、適切な連携を図ることでやりたいことの実現を目指しています。

チームの人材は大きく3パターンに分かれます。まず、制作会社などでフロントの構築やコンサルティング、プランニングなどを経験してきたUXディレクター。次に、テクニカルな知見があり、その知見をフロントとの接続に活用できるテクニカルディレクター。最後に、プラットフォーム構築に関わる大規模なプロジェクトの進行管理ができるプロジェクトマネージャーです。この3つのスキルを併せ持つ人材を、私たちは「ビジネスアナリスト」と定義しています。今後そういった複合的な強みを持つ人材を育てていきたいと考えているため、それぞれの領域に対して興味がある人材を求めています。

──コミュニケーションプラットフォームデザイン事業部で現在注力している取り組みはありますか。

昨今ニーズが高まっているのは、5~10年前につくられたオウンドメディアの刷新です。「不特定多数に情報を配信するのは非効率的ではないか」と多くの企業が感じ始めており、そこにどうテクノロジーを活用し効率化すべきかといった知見を求められることが増えています。もちろん個別の施策を実行しているクライアントは多いのですが、全体最適という意味ではまだまだ課題が山積している状態です。

顧客体験をテクノロジーに落とし込むときは、施策の選択肢を絞り込みすぎず、包括的に扱うことが重要です。私たちはそれを実現できる組織を構成しており、随時新しいものを取り入れつつ拡大しています。最近はユニファイドコマース、ヘッドレスCMS領域などに視野を広げるとともに、SalesforceのInteraction Studio、KARTE、Brazeなど顧客体験に寄与するツールを活用し、クライアントの課題解決を目指しています。

数多くのビジネスモデルに触れ、一気通貫でプロジェクトに携われる

──具体的なプロジェクト例を教えてください。

コミュニケーションプラットフォームデザイン事業部では、顧客体験とテクノロジーの両方を扱うプロジェクトに携わります。クレジットカード関連のサービスを提供する金融系のお客様にコンサルティングを行い、カスタマージャーニーの設計・構築や、ヘッドレスCMSを活用したWebサイト・モバイルアプリへの展開を実現するプロジェクトなどがその一例です。

描いたカスタマージャーニーを実現するためのシステム化のプロセスやツール選びは、顧客体験への知見だけでは対応できません。最適なシステムをデザインできるのは、顧客体験とテクノロジーのどちらの知見も持つTX部門の力を発揮できたからだと思います。また、社内には専門的なソリューションを持つ部署も多く、連携することでさまざまな課題解決の可能性が開ける環境です。

──杉尾さん自身は、電通デジタルに入社してから、どのような成長を感じられていますか。

前職ではスタートアップのプロダクトマネージャーを経験しましたが、当時に比べて今はビジネスの幅が大きく広がったと感じます。複数のお客様に深く関与し、そのビジネスモデルを知ることができるのが、この仕事の魅力です。特に私たちが扱うデジタル領域は、「お客様のビジネスをどう成長させられるか」という根本的な課題に向き合えるのが面白いところです。

また、電通デジタルは多くの場合、一部ではなく全体の設計を任され、大規模なプロジェクトに携われます。顧客体験の要件定義からプラットフォーム構築まで、一社で引き受けられる会社はおそらく少ないでしょう。

技術面については、ベンダーフリーで主要なサービスを一通り使える環境なので、スキルを広げられます。主要なプラットフォーマーが開催する勉強会などに参加する機会も多いです。また、顧客体験に関しては、今後資格取得を通じた人材育成の仕組みを整える予定で、コミュニケーションプラットフォームデザイン事業部ではPMPとCBAPの資格取得を奨励しています。

──コミュニケーションプラットフォームデザイン事業部で活躍している人材の特徴や共通点などはありますか。

私たちのチームでは、自身のよりどころとなるスキルを持ったうえで、その周辺を学びつつ強みを生かせる人が活躍しています。コミュニケーションプラットフォームデザイン事業部の仕事には、足りないものをどう補うか考えられる人が向いています。

背景を含めてお客様のニーズをくまなく理解することが求められるので、相手への興味がある方が望ましいです。また、お客様である会社や担当者、エンドユーザーなど立場によってニーズが違うことを理解し、それぞれの角度から物事を見分けられる方は、きっと活躍できるでしょう。

データの利活用を意識したソリューションで、顧客の課題を解決する

テクノロジートランスフォーメーション部門
データマネジメント第2事業部 事業部長
末永 稔


──データマネジメント事業部の役割を教えてください。

データマネジメント事業部は、第1事業部と第2事業部に分かれていますが、総じてプラットフォームにつなぐデータをつくる部署です。これまでデータ活用領域は、データを収集して分析を行い、最終的にお客様の課題を解決するという形が一般的でした。一方、データマネジメント事業部では、収集したデータを、デジタルマーケティング活動を実施するさまざまなプラットフォームに連携するためのシステム構築を主に行っています。

データは取得するだけでなく、マーケティングに活用することが重要なので、適した形で運用できるようなデータ基盤を構築する必要があります。プラットフォームに連携するためにデータの準備を行い、適切なソリューションを提供することがデータマネジメント事業の大きな役割です。

現在の事業部には、オウンドサイト等の行動ログデータの取得・分析に関わるログ解析系のエンジニア、CDPやDMPといったデータ基盤の構築を行うクラウドエンジニア、BIツールを実装するエンジニア、ソリューション開発エンジニアといった各領域のエンジニアに加え、施策や提供ソリューション全体を見るITコンサルタントが在籍しています。

TX部門全体との連携はもちろん、デジタル広告やMarketing Automationプロダクトとの連携を扱う際は、各専門部門と役割分担しつつ開発の進行を担うこともあります。

──データマネジメント事業部で現在注力している取り組みはありますか。

これまでのデジタル広告は3rdパーティデータ活用が主流でしたが、昨今は個人情報保護の観点から1stパーティデータ活用へと移行する必要性が高まってきました。いかにエンドユーザーのデータを取得し、活用できるかが企業課題となっています。私たちが提供するのは、1stパーティデータを活用するためのプロセスです。そこにはさまざまなテクノロジーを活用しますが、なかでもデジタル広告との相性の良さからGoogle社のプロダクト活用に注力しています。

データ取得・活用法を模索し、新技術を共有しながら成長できる

──具体的なプロジェクト例を教えてください。

一例として、大手地方銀行の顧客接点のデジタルシフトに関わるプロジェクトを紹介します。コロナ禍の影響で対面接客が難しくなったことを受け、顧客ニーズをオンラインでくみ取る方法を模索していたお客様に対し、私たちはGoogle Cloudでデータを処理する基盤を構築しました。行動ログデータから顧客の興味範囲や利用中のサービスなどを判断し、データ基盤内でIDと連携して個別化・分析。その結果をデジタル広告やMA基盤へ連携することで、ニーズに対し適切なアプローチを取れるようになりました。

金融機関のデータは取り扱いが難しく、セキュアな環境が求められますが、慎重にコミュニケーションを取りつつ課題を乗り越えていきました。特に強みが出せたところは、Google Marketing PlatformとGoogle Cloudの両方の知見を生かせたことだと考えています。

この他、保険業界や小売業などにもデータ活用のソリューションを提供しています。機械学習による各ユーザーの購買予測や、コンバージョンの確度の高いユーザーへの広告配信など、提案内容はさまざまです。

──データマネジメント事業部で働く魅力は、何だと思われますか。

データマネジメント事業部は、データ活用に関わることを幅広く扱う事業部です。特定のプロダクト開発など狭い領域でなく、プロジェクト全体の流れを把握しながら開発に携われるところが最大の魅力だと思います。

エンジニアとして入社した人は、入社後に業務を通じてマーケティングの知見を身につけていくことが多いです。クライアントとのミーティングに参加することで、エンジニアも「自分がプロジェクト全体のなかで何を任されているのか」を認識し、高い視座から最適な答えを導けるようになります。例えば、これまでデータベース開発のみに従事してきた人が、入社後に広告連携のソリューション開発などの周辺技術を獲得したケースも珍しくありません。

また、仕事の幅を広げるために、チーム内での情報共有にも力を入れています。専門領域を持つおのおののメンバーが領域の最新トレンドなどを共有する場を設けています。協業しているパートナー企業から提供される教育コンテンツやセミナーも豊富なので、新たな技術獲得によって成長したいと願う方には向いている環境です。

──データマネジメントに携わる観点から見た電通デジタルの魅力を教えてください。

私は電通デジタルの前身である電通イーマーケティングワン時代から、一貫してデータ活用に携わってきました。電通デジタルには、データ活用や取得の最適解を模索し続けてきた歴史があります。データ取得から施策実行まで、そのフロントからバックエンドまでを自社で一貫して担えるのが電通デジタルの独自性です。これほど全領域をカバーできる会社はまれであり、それが良いところだとも感じています。

電通デジタルには幅広く、新しいことに着手できる環境があります。最新のテクノロジーに接しつつ、それを活用したソリューション開発に携わる、イノベーティブな挑戦がしたい方は、ぜひ共に歩みましょう。

連載|世界を変えるトランスフォーメーションカンパニーへ(全3回)

【第1回】徹底した顧客基点で事業変革に伴走する、企業のパートナー

【第2回】DX推進にCXトランスフォーメーションが不可欠な理由

【第3回】顧客基点のDXをテクノロジーの力で推進する(当記事)

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