本質的な広告効果の追求

「もしも広告を出さなかったら?」からの純粋な広告効果の増分に基づいて、広告効果をより正確に評価します。

「広告を出さなかった場合」にも、一定数の成果は自然に発生する

従来の広告効果評価は、広告を配信した時に発生した申し込みなどのコンバージョン成果を、すべて広告の効果として評価する指標でした。その指標の場合、実際には広告がなかったとしても発生していたであろう効果も一定数含まれるため、これまでは数字の確からしさの証明に課題がありました。

これは、Webサイト来訪経験のあるユーザーに対して広告を配信するリターゲティング広告の場合に特に顕著です。リターゲティング広告の配信対象となるユーザーには、Webサイト来訪経験がある、すなわち既に見込みが高く、広告が無くても申し込みなどのコンバージョンに至るであろうユーザーが多数含まれています。しかし、リターゲティング広告の接触後にコンバージョンに至った数の全てを広告の効果とることは難しく、新しい需要創造ではないことから、広告本来の目的である事業成長への貢献度は薄いと言わざるをえません。

例えるとすれば、既に行列のできている人気店で、行列に並んでいる人にクーポン券を配って、クーポン券によって売り上げが上がりました、とするような状況となり、このクーポン券は、需要創造にはあたりません。リリターゲティング広告でも同様の状況になってはいないでしょうか。


広告による需要の「増分」だけを評価するTrue Lift Model®

従来の広告効果評価には、自然に発生する需要分も評価に含まれてしまうという課題があり、電通デジタルはこの課題に対して、広告効果をより正確に評価するTrue Lift Model®という指標を開発しました。



True Lift Model®では、統計的な分析を行うことによって、広告接触後の総コンバージョンのうち、広告に接触していなくてもコンバージョンに至った数の推定を行います。

理想的には、広告配信の対象となるユーザー(同一のオーディエンス・セグメント)を、完全にランダムに2つのグループに分けて、片方には広告を配信し、片方には広告を配信しない、という調整を行い、その後のコンバージョン率を比較するという、RCT(ランダム化対照実験)のアプローチが最も正確性が高い、とされています。

ところが、現実的には配信プラットフォーム以外がこのようにランダムにユーザーを切り分けることは困難です。そこで、比較対象として従来使われてきたのが、地域ごとに配信を切り分ける手法や、配信の事前/事後で切り分ける手法、セグメントを変えて同一のデモグラフィックを持つユーザーと比較する手法、無関係なダミーバナーを配信する手法、などでした。しかし、これらはどれも、様々なバイアスがかかるために正確性が低く、また実験のための金銭的・工数的なコストが高いという課題がありました。

これらの課題に対し、電通デジタルでは、バナーのView接触と非View接触でユーザーを切り分け、View群を実験群に、非View群を対照群にするというアプローチを採用しました。Viewか非Viewかはオークションの際にランダムに決定され、また通常広告配信時には非Viewのうち40~60%は自然に発生するため、追加コストは発生しません。また、広告配信自体は従来通りの実施で良いことから、追加コストも安いというメリットがあります。加えて、単純なView・非Viewだけではなく、傾向スコアによる統計的な補正を加えることにより、理想的なRCT(ランダム化比較試験:Randomized Controlled Trial)に近しい結果を得ることも実現できています。



広告効果を、広告がなかった場合の自然発生分からの差分(=Lift)で評価する際に、「広告がなかった場合」をどのように再現・計算するかで、評価の確からしさは異なってきます。それぞれの手法の確からしさ=エビデンスレベルを評価すると、上図のように整理できます。

真の需要創造効果を最大化する、適切なメディアの予算配分

True Lift Model®では、「もしも広告を出さなかった場合」のターゲットのベースとなる値に対して、どれだけ件数を積み増しできたか?の純粋な増分だけを広告の価値として評価します。これによって、過剰評価を排除して適正に評価できるようになることから、リターゲティング広告よりも需要創造となるの潜在層向け広告の方が、同一の尺度で測っても効率が良いかどうかを正しく評価できるようになります。

従来のダイレクトにおけるCPA(顧客獲得単価:Cost Per Action)評価手法は、広告によって引き起こされていない評価も含めて評価してしまうエビデンスレベルの低い評価手法で、適切な根拠に基づいた媒体の投資配分が実現できていませんでした。True Lift Model®を活用することで、より需要創造に繋がりやすい広告に予算を投資できることから、新規需要の創造効果を最大化することが可能となります。実際に、増分だけを評価するTrue CPAベースでの効率改善を実現している事例が増えています。