2018.07.01

MFI解説 Part2 -MFIに関するFAQ

※所属・役職は記事公開当時のものです。

電通デジタル
リレーションシップマーケティング部門

広岡謙

FAQ

GoogleのMFIに関する、以下のFAQ(よくある疑問・質問)にお答えします。

MFI対応は、早急に進める必要がある?

いいえ。

「PC版にある重要コンテンツが、スマートフォン版にない」「重要な内部リンクが、スマートフォン版で欠落する」などのMFI対応ができていないウェブサイトでも、慌てて修正する必要はありません。
現時点でのGoogleは「MFIに移行しても問題がないウェブサイトであるか」を慎重に審査したうえで、問題ないと判断したウェブサイトだけをMFIに移行するようにしているためです※1

但し、Googleは最終的にはMFIへの完全移行を目指しているため、こうしたGoogleの配慮がいつまで続くかは不明です。
早めに課題点を洗い出したうえで、手が空いたときに随時対応を進めることを推奨します。


MFI対応には、レスポンシブが有利?

「MFI対応の手間や、問題点の発生を最小化できる」という意味では有利です。
Googleもそうした理由でレスポンシブ構成を推奨しており、「別URL構成からレスポンシブ構成に変更するときの注意事項」を公式ブログで公開しています※2
ただし、「レスポンシブだから順位が上がる」ということはありません。

スマートフォンサイトを構成する方法には、大別して「レスポンシブ」「動的配信」「別URL」の3種があります。

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動的配信や別URLには「デバイスに応じた最適化が可能」という、レスポンシブにはない長所もあります。サイトの目的に応じて、一番合う形式を選択しましょう。

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「コンテンツの転記」は、どの程度必要?

スマートフォン版に「検索ユーザーが必要としそうな情報」が掲載されていることが重要なので、PC版とスマートフォン版を完全一致させる必要はありません。
テキスト情報だけではなく、画像・動画やそれに付随するメタ情報(alt・構造化データマークアップなど)を忘れないようにしましょう。


コンテンツを転記したら、スマートフォン版ページが重くて使いづらい...

重要でない情報は、折り畳み・タブなどでデフォルトでは表示しないようにしましょう。
Googleはこれらの要素で隠されてしまう「隠しコンテンツ(Hidden Contents)」に対し、PC版インデックスでは評価を割り引きますが※3、MFIでは評価を割り引かないと明言しています※4

但し、「隠しコンテンツ」の内容はOnloadでソースコード上では読み込めるようにしておきましょう。タップして開いたときに、初めて読み込みが走るような仕様にすると、Googleが認識できないことがあります。


MFIと内部リンクは関係ある?

重要な内部リンクをスマートフォン版に記載しておかないと、インデックス・評価に影響する可能性があります。

内部リンクには検索エンジンに「ページを発見させる」「ページ間の関係や、リンク先ページの内容を伝える」という働きがあります。

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MFI導入前のGoogleは「PC版ページ」を見るため、リンク先のページを発見し、リンクを評価に利用できますが...

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MFI導入後は「スマートフォン版ページ」を優先して見るため、「PC版には存在するが、スマートフォン版には存在しない」リンクを利用した発見・評価ができなくなります※5

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パンくず・フッターリンクなどが検索エンジン向けの内部リンクとして重要な働きをしていることが多いので、転記を検討しましょう。
もちろんユーザービリティが重要なので、折り畳み・タブなどの「Hidden Content」を適宜活用しましょう。

URLの発見については、サイトマップ・フィードの送信※6も有効です。


MFIが導入されると、スマートフォン版ウェブサイトが必須?

いいえ。スマートフォン版ウェブサイトがない場合、PC版が評価対象となります。
そのため、PC版しかないウェブサイトでも、Google検索から消えることはありません。

但し、現在のウェブではスマートフォンユーザーが多数派となっています※7
Google検索も例外ではなく、日本を含む多くの国々でスマートフォン版検索のトラフィックが過半数を占めています※8
こうした状況でスマートフォン向けに最適化されたウェブサイトを持たないことは、大きな機会損失につながっている可能性が高いと言えます。


MFIでは、スマートフォン版ページとAMPページどちらがインデックスされる?

「スマートフォン版」→「PC版」→「AMP版」の優先順位でインデックスされます※9

そのため、AMPがインデックスされる(=評価対象になる)のは、AMP単体の構成(PCページとのcanonical⇔amphtmlアノテーションがない場合)の場合だけになります。


構造化データの転記について、注意点は?

原則として、PC版にある全ての構造化データをSP版に記載すれば大丈夫です。
但し、以下の点に注意しましょう。

① レシピJob Postingは最近の手順改定で、Schema.orgの使用が必須になりました。
Microdata・RDFaを利用している場合、転記と同時に更新しましょう。

② 別URL形式のサイトの場合、マークアップ内部のURLもSP版に合わせて書き換える必要があります※10

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MFI対応と同時に、注意しておくとよい点は?

「スマートフォン検索でのパフォーマンスを最大化する」という点では、以下の二点にも注意しましょう。

モバイルフレンドリー...フォントサイズ・タップ要素の配置などが、スマートフォンで使いやすい状態であるかをチェックするGoogleの独自基準です。
Googleの「モバイルフレンドリーテスト」に合格しないページは、Googleモバイル検索で不利になります。

表示速度...スマートフォンでの表示速度の良否は、ユーザーの行動に大きく影響します。
また、スマートフォンでの表示速度が極端に遅いページは、2018年7月に予定されている「Speed Update」以降はGoogleモバイル検索で若干不利になります※11


MFI対応において、特に注意すべきタグは?

SEO上重要な役割を果たす情報は、全てスマートフォン版で適切に記載する必要があります。
主に以下のものがあります。

①ページ自体の内容にかかわるもの

  • title
  • description
  • hx (h1, h2...h6)
  • meta robots
  • alt


②ページ間の関係を示すもの

  • canonical
  • (PC版からスマートフォン版への)alternate
  • hreflang
  • prev/next
  • amphtml

これらの要素を目視確認することは労力も大きく、判定も難しいです。
当社では「MFIチェッカー」を開発し、多数のページを迅速にチェックできるようにしています。

第二回では「MFIチェッカー」を用いて、「一般的なウェブサイトでどのような点がMFI対応できていないことが多いか」「一見レスポンシブ構成に見えるウェブサイトで、どのような点を見落としがちか」などの調査結果を報告します。

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出典一覧

※1^ オフラインイベント「SMX East」でのGoogle関係者との会話より、Google、2017/10

※2^ 「モバイル専用サイトからレスポンシブ サイトに移行する方法」、Google、2017/09
https://webmaster-ja.googleblog.com/2017/09/how-to-move-from-m-dot-urls-to.html

※3^ 「English Google Webmaster Central office-hours hangout」Google、2014/11
https://youtu.be/tFSI4cpJX-I?t=655

※4^「English Google Webmaster Central office-hours hangout」Google、2018/04
https://www.youtube.com/watch?v=6MNzdm0K-zE&t=41m45s

※5^オフラインイベント「SMX East」での、Gary Illyes氏との会話より、Google、2017/10

※6^「XML サイトマップと RSS/Atom フィードのベストプラクティス」、Google、2015/02
https://webmaster-ja.googleblog.com/2015/02/best-practices-for-xml-sitemaps-rssatom.html

※7^「Mobile-First: 57% of Traffic is Now Mobile」、BrightEdge、2017/08
https://www.brightedge.com/resources/research-reports/mobile-first-57-traffic-now-mobile

※8^「Building for the next moment」、Google、2015/05
https://adwords.googleblog.com/2015/05/building-for-next-moment.html

※9^オフラインイベント「SMX East」での、Gary Illyes氏との会話より、Google、2017/10

※10^「Getting your site ready for mobile-first indexing」、Google、2017/12
https://webmasters.googleblog.com/2017/12/getting-your-site-ready-for-mobile.html

※11^「ページの読み込み速度をモバイル検索のランキング要素に使用します」、Google、2018/01
https://webmaster-ja.googleblog.com/2018/01/using-pagespOnlyeed-in-mobile-search.html


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