ポータルサイトで顧客体験価値を革新！ Liferay DXPで何が変わる？

インターネットで情報を調べる際に最初に訪れる「ポータルサイト」は、複数の情報源からの情報を1つのWebサイトに集約することで、ユーザーの利便性向上を目指しています。これにより、ユーザーは自分のニーズに応じて効率よく情報を見つけ出すことができます。

従来のポータルサイトは、ユーザーに有益な情報を提供することが主な役割でした。しかし、デジタルサービスの発展に伴って、単なる情報提供を超え、優れたCXを提供することが期待されています。

特に近年ニーズが高まっている「ビジネス型ポータルサイト」は、企業のビジネス活動を支援するために活用されており、具体的には、社内向けポータル、取引先向けポータル、顧客向けポータル等があります。

社内向けポータルは企業の従業員が利用し、情報の一元管理や業務効率化を実現するツールとして活用されます。

取引先向けポータルは、企業と取引先とのコミュニケーションを再構築し、運営コストを削減することで、円滑なビジネス推進を支援し、強固なパートナーシップを築くために利用されます。

顧客向けポータルは、企業の製品やサービスを利用するエンドユーザーとの関係を強化するため、会員サイトなどカスタマーサクセスの一部として活用されます。

コロナ禍を経て、ユーザーの行動がますますオンライン化する中、2023年頃よりChatGPTをはじめとするAIサービスが注目を集めています。この技術革新により業務の自動化が進むと期待されており、デジタルマーケティング市場もさらなる成長が見込まれています。予測では、市場規模は2027年に356億米ドルに達すると見込まれています^［1］。

デジタルマーケティングを推進するためには多様な手法が存在しますが、コロナ禍後のリモートワークの普及に伴い、特にBtoBおよびBtoE分野におけるビジネス型ポータルサイトの利用が増加しています。

企業ユーザーの利用率としては、従業員向けの社内ポータルで77.7%、パートナーや顧客向けの社内外ポータルで62.3%^［2］と高い割合を示しています。

特にビジネス型ポータルサイトは、あらゆる情報を一元化して提供するプラットフォームとして、以下の3つの側面からCX・EXの向上に寄与しています。

1. 利便性の向上
   ポータルサイトは、ユーザーが必要とするさまざまな情報やサービスを1ヵ所で提供します。そのため、ユーザーは複数のサイトや社内システムを探し回る手間がなくなり、スムーズかつ便利にアクセスできるようになります。また、シングルサインオン（SSO）等で「使い勝手の良さ」を提供することも、体験価値向上に寄与します。
2. パーソナライズされたコンテンツ
   ポータルサイトは、ユーザーの閲覧履歴や行動データを活用することで、個々に合わせたコンテンツやサービスを提供することができます。これにより、ユーザーは自分に最適な情報を受け取ることができ、満足度が向上します。
3. 豊富な情報と柔軟なカスタマイズ
   ポータルサイトでは、さまざまなブランドや製品、サービスの情報を1ヵ所で比較することが可能です。ニーズに合わせてユーザー自身がサイトをカスタマイズできるようにすることで、満足度の高い選択が可能となります。
   

ここではビジネス型ポータルサイトの、2つの活用例を紹介します。

取引先ポータル

取引先ポータルは、販売代理店やサプライヤー、パートナーなど、企業の取引先が利用するためのプラットフォームです。これは、サプライヤーポータルやパートナーポータルとも呼ばれます。

取引先ポータルを活用することで、企業は取引先へのサービス資料や価格表などのコンテンツを一元管理でき、取引先はポータル上での情報確認や発注を行うことができるため、双方の利便性が向上します。

たとえば、多くの国や地域にパートナーを抱える企業では、異なる地域のポータルサイトを1つに統合することで、パートナーシップ管理の負担を軽減できます。さらに、パーソナライゼーション機能を活用することで、パートナーごとのレベルに応じた異なるサービスの提供が可能になります。

カスタマーポータル

カスタマーポータルは、企業が顧客向けに提供する専用のプラットフォームです。カスタマーポータルを通じて、顧客は製品やサービスに関する情報の確認、サポートへの問い合わせ、アカウント管理、注文追跡などさまざまな機能を利用することができます。

たとえば、保険プランに加入している顧客は、自分のダッシュボードをニーズに合わせてパーソナライズすることが可能です。そして、加入状況の確認や保険契約内容のチェック、支払い、担当者への問い合わせなどを1つのポータルサイトで完結できます。このようにして、顧客は自分のペースでスムーズに問題解決や情報収集を行うことができ、企業とのコミュニケーションがより円滑になります。

今回は、ビジネス型ポータルサイトの特徴とその重要性について説明しました。

質の高いCXを提供するためのビジネス型ポータルサイトには、多様な用途に対応する豊富な機能が求められます。そのため、柔軟性に優れた最適なソリューションを選ぶことが非常に重要です。

次回は、さまざまなニーズに対応できるポータルサイト構築に特化したソリューション「Liferay DXP」について詳しく解説します。