2019.07.01

機械学習とは

機械学習は英語で「Machine Learning」といいます。
先日は「AI」(人工知能)の概要などを説明させていただきましたが、今回は最近大きな話題となっているAIの分野である「機械学習」をできるだけ分かりすく説明することにしました。少しでも、皆さまの参考になればと心から願っております。

機械学習とは

機械学習はAIのひとつの分野です。
2010年ころから機械学習の手法であるディープラーニングの活用が爆発的に増えています。

人工知能【Artificial Intelligence】

人間のような知能をもつアルゴリズム(プログラム)。

機械学習【Machine Learning】

AIが自律的に物事を学ぶための技術。

ディープラーニング【Deep Learning】

多層のニューラルネットワークを活用し、物事の特徴を抽出する技術。


機械学習 - AIのプログラム自身が学習する仕組み

機械学習は意外と歴史のあるAI分野のひとつです。
アメリカのコンピューターサイエンティストであったアーサー・サミュエル(Arthur Samuel)は、1959年に機械学習を以下のように定義しています。

明示的にプログラムしなくても学習する能力をコンピュータに与える研究分野
“Field of study that gives computers the ability to learn without being explicitly programmed”Arthur Samuel(コンピューターサイエンティスト)

機械学習の「父」とされているサミュエルは、世界初の学習型チェッカーゲームの開発者としても知られています。


機械学習の成長を説明する3つの要因

機械学習のここ数年の急激な成長は三つの要因(変化)によって生じていると言われています。

AI技術の進歩

機械学習のディープラーニング技術のCNN(畳み込みニューラルネットワーク)、RNN(再帰型ニューラルネットワーク)やGAN(敵対的生成ネットワーク)の登場とその進化により、新しいAI商品が次々と生まれていきます。

大量データの出現

インターネットで普及したSNSや、PCやスマートフォンに多数のセンサーが搭載されるようになったことで、大量のデータを簡単に集められるようになりました。

コンピューター処理能力の向上

90年代に登場しはじめた並列処理が可能なGPUや分散処理などの技術によって、コンピューターがより短い時間で大量のデータを処理することができるようになりました。


機械学習の3つの種類

1. 教師あり学習

正解データを元に、入力データの
特徴やルールを学習します。

2. 教師なし学習

正解データなしでデータの
特徴やルールを学習します。

3. 強化学習

報酬か罰を与えることで、
最良の方法を学習していきます。


教師あり学習

学習方法

あらかじめ用意された正解データを参照しながら、膨大なデータから特徴やルールを学習していきます。

教師あり学習に適したAIソリューション

回帰:物事を予測する

物事のトレンドを予測することが可能です。トレンド予測の活用例としては:不動産価値、商品価格、株価、会社業績等があります。

分類:物事を分ける

物事をカテゴリ別に分けることが可能です。果物をサイズ別に分けたり、画像や音声を種類別に分けたり、正常なもので不正常なものを分けたりと、活用例は多数あります。

教師なし学習

学習方法

正解データに頼らず、データそのものの特徴やルールを自ら見つけ出していきます。

教師なし学習に適したAIソリューション

クラスタリング

機械学習のニューラルネットワークを活用したアルゴリズムは、人による指導なく、自律的に類似性のあるデータをクラスタリング(グルーピング)します。

例えば、犬に類似したものは「犬」というクラスターに収集します。猫に類似したものは「猫」というクラスターに収集します。

異常検知

機械学習のニューラルネットワークを活用したアルゴリズムは、人による指導なく、自律的に正常なものと不正常なもの(異常)を検知します。
機械の異常を検知することもあれば、ベルトコンベアーを流れる製品の異常も検知するなど、ほかにも活用例は多くあります。


強化学習

学習方法

人は失敗や成功を重ねることで成長していきます。
「強化学習」では同じように失敗や成功を繰り返し、それに対して報酬を与えることで学習効率を上げていくことが可能です。 この学習方法は最短経路の探索やゲームの攻略に力を発揮します。

強化学習のAIソリューション例

広告配信

WEB広告の効果(クリック率)は多数の要因(ユーザの在住地、時間帯、掲載サイト等々)によって決まります。

要因に「報」と「罰」をつけることによって、より効率的で効果の高い広告配信が可能になります。

分別ロボット(例:ゴミの分別)

強化学習を使用することによって、ロボットやドローンなどの機械は「報」と「罰」を活用した強化学習で「成長」していくことが可能になります。

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