2020.05.29
Marketing Cloud Partner of the Year受賞インタビュー
「Salesforce全製品のコンサルティングから運用まで、フルファネルでサポートできる強みを活かしたい」
2020年5月29日、株式会社セールスフォース・ドットコム(以下、セールスフォース・ドットコム)のSalesforce Partner Awardにおいて、電通デジタルはMarketing Cloud Partner of the Yearを受賞しました。今回の受賞を記念して、マーケティング・セールス・デリバリーに携わる担当者3名に、セールスフォース・ドットコムの製品に対する電通デジタルの取り組みを聞きました。
※所属・役職は記事公開当時のものです。
Marketing Cloud Partner of the Yearについて
──今回受賞したMarketing Cloud Partner of the Yearは、どのような賞ですか?
瀬戸 : セールスフォース・ドットコムのパートナーを対象に年に1回開催されるSalesforce Partner Summitというイベントがあります。
その中で、同年度内の実績をもとにセールスフォース・ドットコムへ大きな貢献を果たしたパートナーを表彰するSalesforce Partner Award※1というアワードも開かれます。このアワードにはさまざまな部門が設定されており、今回電通デジタルが受賞したMarketing Cloud Partner of the Yearは、その1部門です。
この賞は、セールスフォース・ドットコムの中核ソリューションであるマーケティングプラットフォームMarketing Cloudの販売・導入において、国内No.1パートナーが選ばれる賞で、今年から新設されました。
※ 1.Salesforce Partner Awardについて
セールスフォース・ドットコムのパートナープログラムに参加している国内300社以上の中から、当年度(2020年度は2019年2月~2020年1月)において、セールスフォース・ドットコムの製品・サービスを利用して顧客企業のビジネス革新に貢献するとともに、同社のビジネス発展に貢献したパートナーを表彰するアワード
──電通デジタルがMarketing Cloud Partner of the Yearに選定された理由は?
矢内 : 2018年にRookie Partner of the Yearを受賞しました。パートナープログラムに参加して2、3年のパートナーを対象にした賞なのですが、電通デジタルは2016年設立ということで、ルーキーとして受賞しました。
Marketing Cloudについて
──Marketing Cloudとは、顧客のどういう課題を解決する製品ですか?
赤堀 : Marketing Cloudは、生活者に関するあらゆるデータを収集・一元化し、それらのデータや分析に基づいて、パーソナライズしたコンテンツを最適なチャネル・タイミングで提供することができる製品です。
スマホの登場により、顧客の購買行動が多様化・複雑化したことで、マスメディアを中心とした従来型のマーケティングだけで、以前と同様の効果は得ることが難しくなってきました。
そういった時代背景の中で求められているのは、生活者一人一人に最適化したコミュニケーションを行い、自発的な行為を後押しする仕組みです。販売する商品・サービスが良いものである、プロモーションが良い内容であることは当然ですが、それ以上に大事なのは、生活者一人一人に寄り添った顧客体験の提供です。それを実現できる最適なソリューションとして、多くの顧客にMarketing Cloudを提案しています。
──顧客にはどのような体制でMarketing Cloudを提供していますか?
赤堀 : 電通デジタルでは、セールスからサポートまでを3つのチームに分けて、顧客の状況に合わせてトータルで行っています。
プリセールスチーム | プランニングチーム | 導入・利活用支援チーム |
---|---|---|
顧客の課題やご要件をヒアリングしてその問題点を的確に把握し、最適なソリューションをご提案する | 顧客の課題解決およびご要件の実現に向けたコミュニケーション戦略・シナリオを策定する | テクノロジーの知見・スキルを有し、Marketing Cloud上でコミュニケーション戦略・シナリオを具現化する |
これら3チームにはいずれも、Salesforce認定資格保有者が多数おり、Marketing Cloudの製品知識を豊富に持っています。そういったメンバーが、全体の構想策定から施策の実施運用、クリエーティブ提供までを一気通貫で提供できるところが、電通デジタルの大きな特徴だと思っています。
──Marketing Cloudのコンサルティング/導入/運用サポートに関して、電通デジタルのアピールポイントは何でしょうか?
赤堀 : カバー範囲の「長さ」「深さ」「広さ」という、3つの観点からご説明します。
まず「長さ」。顧客のデジタルマーケティングにおける全体戦略・データ戦略の構想策定から、コミュニケーションプランニング、クリエーティブプランニング、システム導入までをトータルで提供するだけでなく、導入後の利活用、さらなる発展も継続的に支援していく体制を整えています。
コンサルティングだけ、もしくは導入だけというのではなく、入口から出口まで、そしてその後も継続的にご支援可能な仕組みを持っていることは、特に強いアピールポイントだと思っています。
次に、「深さ」ですが、これは、1つ1つのサービスの質を意味しています。たとえば、Marketing Cloudの仕様・Tipsに関するナレッジベースを構築し、安定したデリバリーができる仕組みを確立しています。また、部門横断型のワーキンググループにより、属人化しがちなプランニングスキルをナレッジ化するといった活動も進めています。これらの取り組みにより、「施策優位性」と「実現可能性」の両面を担保したサービスを提供できる点は1つの強みと考えています。
最後に「広さ」です。われわれの部署にはMarketing Cloud以外のSalesforce製品、たとえば、Sales Cloud、Service Cloud、Tableau、Datoramaなどに関しても、多数の有識者・資格保有者が在籍しており、Marketing Cloudに限らない、幅広いご提案が可能です。
また、セールスフォース・ドットコムと戦略的パートナーシップを結んだGoogle 社のGoogle アナリティクス 360 に関しても、独立した専門チームがあり、資格保有者が多数在籍しています。ちなみに、「Google アナリティクス360 認定リセラー」と「Salesforce認定リセラー」の双方の認定リセラー契約を締結しているのは、日本では電通デジタルだけです。
他に、社内にはデジタルトランスフォーメーションコンサルティングやデジタル広告を専門にする部門もあります。それらと連携した包括的なサービスを提供できる点も、アピールしたいポイントです。
Salesforce製品全体について
──Salesforce製品には他にどのような製品がありますか? それらの製品も、電通デジタルはコンサルティング/導入/運用サポートができますか?
矢内 : 代表的な製品としてはCRM・SFAのパッケージツールであるSales Cloudや、主にコールセンターで用いられる顧客サポートツールのService Cloud、BtoB向けのMAツールであるPardotなどがあります。電通デジタルはそれらを含むセールスフォース・ドットコムの多くの製品の一括サポートを提供でき、そのようなパートナーは、国内で電通デジタルだけです。
この強みは顧客にとってもメリットがあります。一般的に、上流工程はコンサルティングファーム、開発はSlerなど、それぞれの工程で異なる会社に支援を受けると、コンサル領域では絵に描いた餅になりやすく、開発領域ではできることしかやらない開発に陥りがちです。
それに対して、電通デジタルならば、Salesforce製品の一括導入、さらには個々の製品を一気通貫で導入できるため、実装難度とビジネスインパクトの両方を考慮した、バランスの良いサポートを提供できます。
──セールスフォース・ドットコムとは、普段から緊密に連携しているのでしょうか?
矢内 : はい。製品や技術情報の提供をいただいたり、定期的に共同でテクニカルトレーニングの実施を行ったりするなど、日々さまざまな連携を行っています。また、セールスフォース・ドットコムとは、国内でだけでなく、グローバルでもアライアンスを組んでいます。AMER(北米)、EMEA(ヨーロッパ)、APAC(アジア)地域各国とのアライアンスがありますので、国内国外を含めた対応が可能です。
瀬戸 : その他、セールスフォース・ドットコム主催の海外イベントへの積極的な社員派遣も行い、社員のスキル向上にも努めています。
マーケティングの領域では、年次の国内イベント(Salesforce World Tour Tokyo等)への協賛や、プライベートセミナーの共催などを行い、密な連携をとりながら新規顧客獲得に向けた活動を行っております。
自社のSalesforce製品を用いたマーケティング活動について
──導入支援を行う他、電通デジタル自身もSalesforce製品を使用したマーケティング活動を行っているとのことですが、どのような形で活用しているのでしょうか?
瀬戸 : メール配信やLP制作にはPardot、マーケティング活動で獲得した顧客の管理にはSales Cloudを使用しています。Sales Cloudはセールス担当者も使用しているため、獲得から案件受注に至るまで、顧客情報の一元化および可視化ができています。
──新規顧客獲得から育成までの効果を上げるために意識していることはありますか?
瀬戸 : セールスフォース・ドットコムが獲得した顧客へのサポートに加えて、電通デジタルでも積極的に新規顧客獲得に力を入れており、今回の受賞はその点も大いに評価されています。
その際に強く意識しているのは、マーケティング計画や企画内容が、机上の空論とならないよう、セールス担当者と目線を合わせることです。私の所属する統合デジタルマーケティング領域には、セールス担当とマーケティング担当の両者が所属しているため、連携がとりやすい体制になっています。
また、運用面では、イベント出展やセミナー開催、メールマガジン配信、メディア露出などといった各種マーケティング活動を、単独ではなく連動させて計画することで、ROIの最大化に努めています。
今後の抱負について
──Salesforce製品のサポートにおいて、大事にしているポイントは何でしょうか?
矢内 : なによりも、カスタマーサクセスありきということです。顧客のビジネス拡大に対してSalesforce製品をどう貢献させるのか、という点を強く意識しています。Salesforce製品の導入をただ勧めるわけではなく、顧客の課題や状況に合わせて、最適な製品やソリューションを提案するということが大原則です。
赤堀 : 昨今は特に、Marketing Cloudだけでは解決できない企業課題の相談が増えてきています。Sales CloudやService Cloudなど、Salesforce全製品を含めた導入、さらにはGoogle など他製品も含めたご提案をさらに強化したいと思っています。
──今回の受賞を受けて、今後の目標は?
瀬戸 : 新型コロナウィルスの影響で対面営業の機会が少なくなる中、BtoBマーケティングの重要性が高まっています。だからこそ、Salesforce製品(PardotとSales Cloud)を使い慣らし、顧客が求めるタイミングで、弊社からの情報をお届けするための仕組みをブラッシュアップしていきたいです。
矢内 : Marketing Cloudの分野で、来年も引き続きNo.1を維持していきたい、というのがまず1つ。もう1つは、今後は、Marketing Cloudにとどまらず、Salesforce全製品を駆使した提案を行うことで、顧客が抱えるさまざまな企業課題を解決するご支援をしていきたいです。
赤堀 : 近年は特に、顧客行動の変化が激しく、それに伴ってMarketing Cloud、および関連ソリューションの発展のスピードも非常に速くなっています。それらをしっかりキャッチアップしながら、さらなる顧客体験の向上を目指したマーケティング戦略、シナリオコンサルティングの検証、技術面におけるナレッジの蓄積など、顧客にとって最適なインプリメンテーション、コンサルティングができる体制を築いていきたいと思っています。
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