電通デジタルは2023年8月28日~9月28日、「Transformation Forum~DX戦略から現場業務まで企業の未来を創るアクション最前線」と題し、オンライン&リアルのハイブリッドにてセミナーを開催しました。本記事では、セッションのサマリーをお伝えします。
変革を担うリーダーに気づきと学びを提供する
日本企業における変革のステージは、個別組織での対応から全社変革へと大きく舵が切られています。反面、組織をまたぐ推進や変化しつづける顧客ニーズへのスピーディな対応など成果創出が難しくなっているのも事実です。
Transformation Forumは、変革を担うリーダーに寄り添い企業の両利き経営(既存事業の深化×新規事業の創造)の推進に必要な活動を「経営/マネジメント層」「DX推進リーダー」それぞれの視点から体系的に学べるプログラムです。「DX推進に課題がある」「次のテーマへのヒントを見つけたい」「気になるトピックを学びたい」など、企業で変革をリードする方々へ“気づき”と“学び”を提供します。
電通デジタルのAI第一人者が語る!生成型AIによる次世代型マーケティングとは?
電通デジタルのAI第一人者である山本と有益が、生成型AIを取り入れた次世代型マーケティングの全体像や可能性、事例を交えた具体的な実践方法について紹介しました。
DX推進においてAI利活用が不可欠となる中、生成型AIは、顧客体験を大きく変える可能性を持っています。1960年代に研究・開発が始まったAIは、2022年から第4次の発展段階に入り、生成型AIによって言葉を手に入れました。「AIの身体性が高まり、人間化が進んでいる」と山本はいいます。
生成型AIはビジネスにも大きな影響を及ぼしています。現在、日本企業の6割が生成型AIの活用・検討をしていますが、その多くが社内業務利用や業務効率化に留まり、ROIを実感できていません。「生成型AIにより新たな価値を創造し、競争力に変えるためには、AI育成のサイクルを回すことがKSF(Key Success Factor)」と述べた山本は、競争力創出のためのAI利活用サイクルを提示しました。
近年、テクノロジーの導入により、できることは増えてきていますが、その反面、不親切なデジタル体験による不満がつのり、その対応に人的リソースが必要となるなど、現状の顧客体験にも様々な課題があります。その課題を解決するために、生成型AIを活用して目指すべき顧客体験として「Humanized Digital Experience」という概念を紹介しました。
「これまではデジタルチャネルとリアルチャネルの掛け合わせで顧客課題解決を志向していたが、これからは、あらゆるシーンや接点がデジタルでカバーされ、人とAIが連携した温かく人間的な応対が標準となる。生成型AIは、企業やブランドが従来行ってきた気配りを取り込み、本質的な、自社らしい課題解決や体験の提供を行える可能性がある」(有益)
AIに対応する顧客体験の実現には「スピードと堅実性の両立」が必須となりますが、そのためには「バイモーダルアプローチ」という考え方が有効と語る有益は、「プロセスの各ステップにおいて、モード1とモード2を適切に使い分けて、導入・検討を進めるのがよいのではないか」と述べ、セッションを終えました。
電通デジタル流 全社DX成功のカギ
電通デジタル独自のプログラム「DX ARROW」に基づき、クライアント企業と共に組織横断のDXを成功に導いてきた先行事例を紹介しました。
ここ数年、多くの企業がDXに取り組んでいますが、近年は課題がより大きくかつ複雑化しており、部署ごと・事業部ごとではなく組織横断での課題解決の取り組みが求められています。電通デジタルはクライアント企業と共に、数々の組織横断のDXを成功に導いてきました。その経験を独自のプログラム「DX ARROW」として提供しています。
「DX ARROW」とは、DX成功の要諦を押さえた電通デジタル独自の支援プログラムです。同プログラムでは、多様なコンテンツから最適なテーマを選定し、コアメンバーによるワークショップを行った後、継続して議論を重ね、事業運営に直結する方針をアウトプットするまで、電通デジタルのメンバーが伴走します。
「DX ARROW」の強みについて、中津川は、「社内のキーパーソンが直接参加し、主体的にベーシックな論点に向き合うことを通じて、DXをリードできる人材が育ち、組織としてのデジタル対応力が高まっていく」という点を強調しました。
「DX ARROW」はプログラムの本格提供に先駆け、いくつかの国内大手企業に活用いただいています。セミナーでは、DXを成功させた大手製造業、インフラ企業、エネルギー関連企業、化粧品製造販売企業の先行事例を紹介しました。
最後に、中津川は、「新しいデジタル事業の創出にチャレンジしようとしている企業、立ち上げた新規事業の軌道修正と適正化を考えている企業、新規/既存事業の両面で多数の取り組みを始めようとしている企業のご担当者の方は、ぜひ活用していただきたい」と締めくくりました。
関連プレスリリースはこちら
経営層と事業責任者のためのDX方針策定プログラム「DX ARROW」を提供開始-企業自らが主体となり、全社DXを成功に導く-
https://www.dentsudigital.co.jp/news/release/services/2024-0116-000131
マーケティングから営業を変えるDXの秘訣3+1
営業DXがうまくいかない本質的な要因や問題と、それらに対し、マーケティングから営業DXを変えるための秘訣を紹介しました。
まず藤沼は、営業DXがうまくいかない要因として、「お客さま情報が社内共通での管理になっていない」「獲得したお客さまのセグメントの仕方と対応がはっきりしていない」「マーケと営業、それぞれの目標値を理解し、意識した活動ができるKPIになっていない」の3つを挙げました。
この要因を押さえたうえで、解決に導くための3つの秘訣は以下のとおりです。
- 最低でもマーケから営業にデータをつなげる
- 今すぐ動けるリアルなセグメントを設計する
- KPIは事業成果起点ですべてを考える
ただし、いきなりやれといってもうまくいきません。ここから井上が、「キーワードは『北風より太陽』。全社員が理解し主体的に動いてもらえるようにすることが大切」とポイントを指摘しました。
「太陽とは、理解と共感です。いかに会社が本気かをアピールし、成功体験を作り、自発的に取り組めるように促す仕組みを作る必要があります。秘訣を実現するには、様々なタスクを実施しなくてはなりません。しかし、これらを全て自社内で行うには限界があるので、営業DXを成功させている企業は、外部パートナーもうまく活用し実現しています」
続いて、電通デジタルが支援し、マーケティング起点の営業DX推進を成功した事例として、金融企業の「オンオフ統合コミュニケーションを実現する営業マーケティング変革プロジェクト」、製薬会社の「MRと医療従事者の関係性再構築を目指した“人中心のDX"」を紹介しました。
最後にまとめとして、「3つの秘訣を実施し、加えて社員から『理解と共感』を得ることで、みなさんが思い描く理想の営業DXの姿を必ず実現することができます」と力強く語りました。
資料ダウンロードはこちら
「マーケティング担当者から変革させる営業DX 知っておくべき3+1の秘訣」
https://pages2.dentsudigital.co.jp/report/dl/20231208_SalesDX/
実行・実現フェーズにおける「DXの壁」とその突破方法
DX構想を絵に描いた餅で終わらせないために、企業が直面する壁とその突破方法について、湯田と神内が今までの支援実績を交えながら説明しました。
最初に神内が「最新DXトレンドと環境変化」について、電通デジタルで実施した「日本における企業のデジタルトランスフォーメーション調査」を基に説明しました。「日本企業において、DXの着手は確実に進んでおり、取り組み範囲での成果も出始めています。ただし、取り組み範囲は、ビジョンや戦略づくりから、DXを進めていく仕組みづくりへ移行しており、全社や部門横断プロジェクトが増加しています。DXトレンドは、策定したDX戦略を本格的に実行・実現していくフェーズとなっていると言えそうです」
しかし、多くの企業がDXプロジェクトの実行・実現フェーズを進める際に、「構想フェーズと比べて意見集約が難航する」・「DX構想を要件に落とし込めない」・「導入後の普及や定着化ができず、システム・ツールが陳腐化してしまう」といった「DXの壁」に直面しています。そしてこれらの壁はどれも共通して、プロジェクトの理解不足や調整不足、つまりプロジェクトの解像度の低さに起因しています。
プロジェクトの解像度を上げるにはどのようにすればいいのでしょうか。湯田は「実行・実現フェーズをうまく進めるためには、プロジェクトの「目的」「業務」「タスク」の解像度を上げていくべき」といいます。湯田は大手金融機関のCRM導入プロジェクトを例に、解像度を上げるための具体的なポイントとタイミングを説明し、「『目的』『業務』『タスク』の解像度を上げていければ、プロジェクト全体のQCDが上がり、ひいてはDXの壁の突破につながる」と持論を述べました。
最後に湯田は、「DXの壁」を乗り越えるために、電通デジタルが事業会社のDX担当者と同じ立場でプロジェクトを推進する支援メニュー「DX推進PMO」について触れ、「経験豊富な人材で幅広い領域に対応しており、最終的な内製化・自立するところまでを支援させていただきます」と力強く述べました。
顧客体験刷新のアジリティーを高める「デザイン組織」
株式会社freeeとMSD株式会社のデザイン組織のリーダーをお招きし、デザインを経営に活かすための戦略から、風土づくり、人材育成、プロセス改善まで、様々な切り口から議論・考察しました。
「【第1部】自社らしいデザイン組織作りの処方箋」は、桑山がファシリテーターを務め、木本氏とクラー氏がパネルディスカッションを行いました。木本氏とクラー氏は、第一線で活躍するデザイン組織のリーダーという立場から、自社におけるデザイナーの役割やデザイン組織のありかた、他部署・パートナーとの連携など、様々な切り口からデザインを「手の内化(≒内製化)」することの意義を議論しました。
「【第2部】デザイン組織づくりのロードマップ」では、電通デジタルオリジナルのデザイン組織化チェックシートをもとに、自社のデザイン組織が具体的にどのような施策をどの順番でやっていくべきかについて簡易なワークショップにて検討。参加者が共に考え、議論し、アクションプランを策定するプロセスを実際に体験していただきました。
「【第3部】デザイン組織のビジョンと人材育成」では、ワークショップの結果を振り返りながら、デザイン組織に推進力・求心力を持たせるためのビジョンの発信・浸透と、スキルマップの活用による中長期的な組織開発や人材育成について、事例を用いながら紹介しました。
関連記事はこちら
「WIRED」に、「デザイン組織は一日にして成らず。各企業の実践をお届け:電通デジタル『Transformation Forum』レポート」が掲載されました。
https://www.dentsudigital.co.jp/news/updates/media/2023-1027-001027
限られた予算でも顧客体験を最大化
CDP導入にお悩みの小売業界の方を対象に、電通デジタルが提供する業界に特化したCDP導入スキーム「r-DOMA」の紹介と活用方法を紹介しました。
小売業界では、アフターコロナでリアル体験の需要が戻りつつあり、アフターコロナの状況を踏まえて、オンラインとオフラインが融合した新たな顧客体験が求められています。
オンライン/オフラインの顧客接点を統合し、顧客に最適化したOMOの顧客体験を提供するには、あらゆるデータを統合し、顧客体験/サービス/経営判断の起点となるデータ基盤であるCDP(Customer Data Platform)の導入が必要です。
しかしながら、「CDP導入にも様々な課題がある」と森本は指摘します。「多くの企業は、スケジュール、コスト、データ品質の3点で課題に直面しがちです」
そうした課題を解決するために、電通デジタルは、CDP導入スキーム「DOMA」を開発しました。「DOMA」について、森本は、「短期間・低コストで導入から活用までを実現し、時代・環境の変化に合わせた最適なソリューションである」と、従来のCDPの導入で発生しがちな課題を意識して開発した点を強調しました。
「DOMA」をベースに、小売業界特化型バージョンとして提供しているCDPパッケージが「r-DOMA」です。田中は「r-DOMA」の3つの特徴を順番に説明しました。
1つ目は、小売業界に特化したコネクタ。電通デジタルが業界特有システムを厳選し、即座に利用が可能となるコネクタ機能を用意しました。
2つ目は、小売業界に特化したデータ統合機能。データソースを横断した顧客ID(カスタマーID)を用いることでデータ統合が容易に可能です。
3つ目は、小売業界に特化したテンプレート機能。CDPのデータを元に手軽にデータ利活用を実現するための「データ可視化」「施策セグメント」「データエクスポート」という3つのテンプレートを搭載しています。
データ可視化レポートテンプレートは、小売業界のマーケティング担当者に不可欠な、業界特化指標のレポーティング機能を提供し、セグメントテンプレートは、業界特有データ×顧客データ ×Web/App行動データを元にした、施策セグメントを提供します。さらに、データエクスポートテンプレートは、主要なマーケティングツールと親和性の高いAmazon S3にエクスポートする機能を標準で提供します。
最後に田中は、「電通デジタルの実績・経験をもとに、小売業界に特化したパッケージ型CDPソリューション『r-DOMA』は、導入後も電通デジタルが継続的な成功をサポートします。お客様の状況・課題に合わせて最適なソリューションをご提案しますので、お気軽にご相談ください」と、CDP導入を検討中の担当者へメッセージを送りました。
欧州サーキュラーエコノミー最前線!先進事例からヒントを探る、企業が取り組むグリーン×デジタルのビジネスの可能性
サーキュラーエコノミーの先進的取り組みを探るべく、電通デジタルが実施したロンドン・パリ・アムステルダムの視察で出会った活動事例を紹介しながら、今後、日本企業がどのようにしてサーキュラーエコノミーをビジネスに取り組むべきか、株式会社BLOOM 代表取締役 斉藤(矢野)麻子氏、電通デジタル 安田裕美子、安東咲が紹介しました。
デジタルサービスに次の進化をもたらす顧客体験変革4つのアプローチ
顧客体験変革を軸に、「OMO」「グロース」「PMF」「プレトタイピング」といった4つの視点でセッションを行い、デジタルサービス担当者の課題解決に向けた実践的な打ち手を紹介しました。
グランドジャーニーアプローチ〜貴社のOMOはなぜ実現できないのか?〜
OMO(オンラインとオフラインの融合)を実現するための羅針盤となる「グランドジャーニー」開発のプロセスを用いながら、陥りがちな罠とそれらを突破するためのアプローチ方法を紹介しました。
現代は、スマホの普及に伴い、購買体験が変化しており、商品・サービスのコモディティ化の中で購買体験の向上が重要なポイントになってきていることから、OMOが求められているという社会的な背景があります。
企業は、OMOを実現することでロイヤリティが向上し、そのデータを体験に還元することでLTVが最大化され、最終的に収益向上に寄与するというメリットがあります。
しかしながらOMOは、概念としては定着したものの、実際のビジネスの現場ではデータ・チャネル・サービスが分断され、遅々として進んでいないという課題を抱えています。例えば、OMO構築にあたって、検討ステップやポイントを誤ると成果の出ない取り組みになってしまいます。
「OMO構築により、確実に成果を生み出すためには、正しい検討ステップとアウトプットにより、失敗しがちなポイントを回避することが大事」と岡本はいいます。
「失敗しがちなポイントの1つが、チャネルやサービスごとに最適化を進めてしまうというミスです。これを回避するには、各サービスやチャネル単位の部分最適に陥ることなく、まずは包括的な視座からグランドジャーニーを策定することが重要。そのうえで個別接点(店舗、アプリ、コンタクトセンターなど)へブレークダウンすることで、体験全体の一貫性と各接点における最適化の双方を担保した体験や価値の提供が可能になります」
グランドジャーニーとは、複数のチャネルやサービスをもつ企業に有効なジャニーの一種であり、包括的な視座から顧客視点のブランド体験を描いたもので、OMOを全社的に推進するうえで戦略実行における羅針盤となるものです。
実際の現場で機能し、利用し続けられるグランドジャーニーを描くためには、「すでにある情報を最大活用し、クイックにグランドジャーニーを描き、サブジャニーのテーマの検討を丁寧に行うことがポイントになる」と指摘した岡本は、「①ゴール定義」「②現状整理」「③理想定義」という3ステップでクイックに進めるグランドジャーニー開発の方法を詳細に解説しました。
最後に前田は、「ユーザーの行動や体験をうまく捉えきれていない」「顧客接点ごとに施策が分断し、全体の体験がつながらない」「カスタマージャーニーを作ったものの、社内で活用できていない」という悩みを抱えている企業の担当者の方に対し、「グランドジャーニーの策定にご興味をお持ちの方は、お気軽にお声がけください」と締めくくりました。
協創で実現するグロースデザイン~NTTドコモに見る事業グロース成功のカギ~
株式会社NTTドコモ(以下、ドコモ)で会員基盤の価値向上を担う白井拓也氏(ドコモ スマートライフカンパニー コンシューママーケティング部 dポイント戦略 担当課長)をお招きし、どのような視点を持ってグロースに取り組むべきかについて、事例を中心にお話しいただき、事業グロースのための成功のカギを探りました(電通デジタルは、2019年からドコモに常駐し、dポイント事業の会員獲得やその後のコミュニケーション、そして現在は新たな価値創出の取り組みで協創しています)。
ビジネスを成功に導くPMF戦略~市場に受け入れられるサービス/プロダクトへと進化する方法~
サービス/プロダクトをマーケットにフィットさせる要諦について、「やるべきこと」と「やらざるべきこと」を対比しながら、また電通デジタルの過去事例も交えながら紹介しました。
新規サービス/プロダクトの立ち上げにおいて、多くの顧客調査を行い、秩序立てて課題分析および解決策検討を行っているにも関わらず、なかなか市場に受容されるに至らないというお悩みは、どの企業でもよく聞かれます。
サービスやプロダクトを、顧客や市場に受け入れられる状態にしていくうえで役立つ考え方として、上村は「PMF」(Product Market Fit)を紹介しました。PMFとは「商品(Product)やサービスが市場(Market)に適合している状態(Fit)、すなわち市場に受け入れられている状態のことです。新規サービス/プロダクトをPMF(市場適合)していくことが、製品開発担当者の業務上の目的となります」
それでは、どのようにして、製品/サービスをPMF(市場適合)していけば良いのでしょうか?PMFに至るまでのおおまかな流れとしては、①顧客・市場を基点にして、顧客の反応を見ながら、顧客の抱えている課題を特定し、②課題の解決策を考え、③解決策を具体的な製品の形にして、④市場に出して検証していく、というプロセスになります。亀和田は、各プロセスでの要諦について「やるべきこと」「やらざるべきこと」を対比しつつ、これまでに電通デジタルで実践してきたPMF支援の実例を挙げながら解説しました。
電通デジタルは、これまでに様々な企業において、製品/サービスのPMFを支援してきました。電通デジタルの強みとして、亀和田は「UX領域における高い専門性」「業界に対する深い洞察」「プロダクトマネジメントにおける知見」「アカデミックな知に基づく実践」の4点を挙げ、「これからも企業のPMFをサポートしていくために力を尽くしたい」と意気込みを語り、セッションを終えました。
「使いやすい」だけでは顧客に届かない!?〜「使いたい」と思えるアイデアを高速で検証するプレトタイプアプローチとは〜
新規事業開発や競合参入による市場環境の変化に対応し、競合に負けないサービスをスピーディに作り出す、電通デジタルの「プレトタイプ」アプローチを紹介しました。
プロダクト開発や新規事業、特に大規模なプロジェクトでは、PMFが大きな壁となっています。壁を乗り越える1つの方法としては、プロトタイプの活用がありますが、プロトタイプの制作自体に高いコストと長い検証期間がかかる場合が多く、「市場のスピードとアイデアの精度を高めることの間で悩まれている方が多くいらっしゃいます」と前田は担当者の抱える課題感に言及しました。
プロジェクトを回しながら検証を行い、早期にアイデアの確からしさを検証する手法が、今回紹介したプレトタイプです。プレトタイプという言葉は、Pretend(フリをする)とTyping(型を作る)からなる造語で、Googleでも採用されている、新製品開発で失敗しないためのメソッドです。
プロトタイプが「簡単なモックから精緻な模型まで試作品全般」を指すのに対し、プレトタイプは「そもそも元となるアイデアを実現するべきなのか、検証することに特化した必要最低限度の試作品」を指します。
続いて前田は、プレトタイプアプローチの8つの手法を順に説明しました。8つの手法とは、「①メカニカルターク型」「②ピノキオ型」「③ニセの玄関型」「④ファサード型」「⑤YouTubeビデオ型」「⑥一夜限り型」「⑦潜入型」「⑧ラベル貼り替え型」です。
電通デジタルでは、これらの手法を使ってプレトタイプアプローチを支援しています。川野は具体的なケースを挙げ、アプローチの支援内容を紹介しました。
「例えば、大手通信会社によるAIスマートスピーカーの開発プロジェクトでは、メカニカルターク型(難しい技術に見えて実は人力)を用いて、上流の体験設計を担当しました。また、『喫煙者』に対する『禁煙治療』のコミュニケーション開発では、ニセの玄関型アプローチ(広告や購買導線だけを作る)を用いて、方針を体現するキャラクターをどれにすべきか検証しました」
電通デジタルのプレトタイプアプローチの特徴について、川野は「数値に基づく仮説をユーザーに当てながら検証していくプロセスを、プロダクトの価値・メッセージ開発にフォーカスしてサービスを展開している点」と述べ、最後に「様々な形でのご支援が可能ですので、まずはお声がけください」と視聴者に語りかけて、セッションを終えました。
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