現在、生活者がエンタメを楽しむ行為の多くはSNS上で行われていたり、SNSが深く関わっていたりします。
事前の評判を調べる、感想を交換する、批評や考察に触れる、チケットを予約する、主題歌やサントラ楽曲を聴く、ゲームの攻略情報を調べるなどカスタマージャーニーのさまざまなプロセスにSNSが介在しています。
生活者は「SNSを介して情報を受発信している時間」も「商品体験の一部」と捉えており、作品の魅力と切り離せなくなっていると言っても過言ではありません。
先日、とある漫画ファンの方々にお話を伺う機会がありました。彼らに「この作品の魅力はなんですか?」と尋ねると、
「(SNSで)考察(動画を見たり)するのが楽しいです」
といった回答が多く返ってきました。こういったエンタメ受容の在り方は昨今とてもポピュラーになってきているのではないでしょうか。
もちろん、作品そのもの自体の魅力がもっとも大切な要素であることは大前提ですが、
「SNSからどのようなタイミングでどのような情報に触れるのか?」
「SNS上の情報流通量をどのように増大させるのか」
をデータドリブンに設計することが、エンタメをヒットさせるために非常に重要となっています。
これはさまざまなエンタメジャンルでデータから明らかになってきています。
例えば、わかりやすい指標としてはSNS上での作品についての話題量があります。ゲームソフトの場合であれば「発売日までのSNS上の話題量」と「ソフト売上本数」、映画であれば「公開前XX日間のSNS上話題量」と「オープニング興行成績」は強い相関関係にあります。