2023.02.10

今からでも遅くない!GA4の基礎をパパッと学ぶ入門講座(前篇)

2023年7月、UA(ユニバーサルアナリティクス)の計測が停止します。GA4(Googleアナリティクス4)の導入、活用は進んでいますか? GA4へ移行したい方は、早めにGA4の導入をおすすめします。理由は3つあります。

  1. UAのデータをGA4に引き継ぐことはできない
  2. GA4の計測タグとUAの計測タグは併用可能
  3. GA4の導入後、各種設定や使い方を勉強する時間が必要

本記事では、「GA4をまだ導入していない」「GA4で何ができるのか知りたい」という方向けに、GA4の基礎を分かりやすく解説します。

※2022年10月に開催されたウェビナーを採録し、編集した記事です。
※この連載はGA4の無償版についての解説です。GA4の有償版の話をする場合には、「有償版」と記載します。

GA4での大きな5つの変更点

UAと比べてみると、GA4には大きく5つの変更点があります。順に解説します。

①レポート構成

GA4は、レポート構成が変わりました。下図の左側がUA、右側がGA4です。

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UAの「概要」レポートでは、「ユーザー」「セッション」「直帰率」などを確認できましたが、GA4の「概要」レポートでは、主に割合しか確認できません。

②左メニュー

UAの左メニューは「ユーザー」「集客」「行動」「コンバージョン」でしたが、GA4では、「レポート」「探索」「広告」「設定」に変更されました。

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GA4を使う人は、各メニューで何ができるのか、どんなことが調べられるのか、どのレポートを見ればいいのかを覚えなくてはいけません。

③データ保持期間

データ保持期間は、UAでは最長26カ月でしたが、GA4では最長14カ月に変更されました。

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データ保持期間は、2カ月か14カ月しか選べません。初期設定では2カ月なので、14カ月に変更することをおすすめします(保持期間は、左メニューの「探索」のレポートにのみ適用)。保持期間の変更は、「管理」>「プロパティ」>「データ設定」>「データ保持」で行います。

④アカウント構造

UAのアカウント構造は「アカウント」→「プロパティ」→「ビュー」でしたが、GA4のアカウント構造は「アカウント」→「プロパティ」しかありません。

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UAの場合、ビューで行っていた「目標設定」は、GA4では、左メニューの「設定」から設定します。

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「設定」>「イベント」を開きます。既存のイベントに関しては、「コンバージョンとしてマークを付ける」をONにすれば、目標設定は完了です。

イベントを作成していない場合は、まず「イベントを作成」してから、目標設定を行います。GA4はイベントを作成しないと、目標設定(コンバージョン設定)をすることができません。

⑤計測方式

GA4では計測方式が変わり、デフォルトチャネルグループの種類が変更されました。下図左の「追加」と書かれているのが、GA4で追加されたデフォルトチャネルです。

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GA4で新たなチャネルグループが追加されたことで、UAとはトラフィックの分類ルールが大きく変更されています。

デフォルトチャネルグループのレポーティングや分析は、UAとGA4で乖離発生がします。コンバージョン数なども違ってくる可能性があります。

同時に、セッションの計測方式も変更されました。GA4では、日付が変わってもセッションは継続されます。また、参照元情報が変わっても、30分以内の再訪であれば1つのセッションと見なし、セッションが終了されません。UAに比べると、GA4のセッション数が少なくなるケースがあります。

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コンバージョンのカウント方式も変更になりました。GA4では複数回目標達成した場合、その回数分だけコンバージョンがカウントされます。

例えば、ユーザーが1回のセッション中に3回コンバージョンした場合、GA4ではコンバージョンが3回カウントされます。ですので、GA4の方が、コンバージョンが多くなる傾向にあります。

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GA4では、計測方式がすべてイベントに変更されました。「ページビュー」「Eコマース」もイベントとして計測されます。

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5つの変更のうち、一番重要なのは計測方式の変更です。計測定義という基礎を覚えておかないと、正しく分析できないこともあります。GA4を使いながら、少しずつ覚えていきましょう。


GA4へ切り替えるメリット

①イベントの計測設定が簡単になった

GA4では、スクロールやファイルのダウンロード数などのイベントが、自動で計測されるようになりまし

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その他にも、GA4では「拡張計測機能」をオンにするだけで計測できるイベントがいくつかデフォルトで用意されています。コードの設定や設置が不要なので、Web制作の知識が少ない人でも簡単に計測が可能です。

②PCとスマホを横断した分析ができるようになった

GA4を利用すると、PCとスマホを横断したクロスデバイス分析ができるようになります。

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「Googleシグナル」という機能を有効にすれば、スマホやPCなどの異なる端末を使っていても、同じユーザーなら同じアクセスと判断して分析できます。これにより正確なユーザー数が計測できたり、よりユーザーに合わせた広告が表示できたりするようになります。

ただし、同一ユーザーとして特定できるのは、Googleアカウントにログインした状態、かつGoogleアカウント設定の「広告のカスタマイズ」に同意しているユーザーに限ります。

「Googleシグナル」を有効にするには、「プロパティ」>「データ設定」>「データ収集」で、「利用を開始する」をクリックしてください。

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③BigQueryが一部無料になった(上級者向け)

BigQueryは、Google Cloudで提供されているビッグデータを解析するためのサービスです。これが一部無料になり、生データで分析ができるようになりました。GA4とBigQueryを連携することで、SQLを使って自由な切り口でデータ分析でき、ユーザーの行動をより詳細に把握できます。

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④探索レポート「経路データ探索」が便利 

探索レポート機能の一つである「経路データ探索」は、ユーザーがWebサイト内を遷移した軌跡を確認することができる機能です。ユーザーの行動をツリーグラフで可視化することができます。UAの「行動フロー」レポートに似ています。

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この「経路データ探索」機能は、コンバージョンまでの経路をさかのぼる(逆引きもする)ことが可能で、コンバージョンに貢献するページを発見することもできます。

⑤探索レポート「目標到達プロセスデータ探索」が便利

「目標到達プロセスデータ探索」は、ユーザーがコンバージョンに至るまでのステップを可視化し、各ステップのユーザーの動向(次のステップに進んだのか/離脱したのか)を確認できるレポートです。ボトルネック(離脱が多いプロセス)を特定して、改善につなげることができます。

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⑥探索レポート「セグメントの重複」が便利

「セグメントの重複」では、最大3個のセグメントを比較して、それらの重複状況や関係をビジュアルで分かりやすく把握できます。

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上図では、「検索からサイトへ来たユーザー」「サービスの詳細ページを閲覧したユーザー」「会員登録したユーザー」といったセグメントを重ねて表示しています。


まとめ

GA4の導入には8つのステップがあります。本計測の開始までには最低でも2カ月かかると考えてください。Googleアカウントがない場合、UAやGTM(Googleタグマネージャー)が入っていない場合は①~④いずれかからのスタートになります。UAが入っている場合は⑤からでOKです。

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GA4タグの挿入が終わった後、対応しておいた方がよい設定がたくさんあります。以下の全部を合わせると2カ月くらいはかかります。

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もちろん自分ですべて行うこともできますが、きちんと計測ができるようにするためには、私たちのような見識のある会社に依頼する方が安心です。ただ、これから先、導入を急ぐ企業が増えてきて、リソースが逼迫してきますので早めに導入を検討してください。

今回は、GA4の基礎として、UAとGA4の違い、GA4へ切り替えるメリットを解説しました。次回はGA4の活用編です。レポート機能の使い方、現場で使える探索レポート、イベント、コンバージョン、セグメントについて解説します。

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