高橋 : すでにカスタマージャーニーマップの作成を実施している企業は、けっこう多いのではないかと思います。ただ、事業部単位で実施しているというケースが多く、評価指標と実際の業務を連動させた落とし込みに苦労されていることが多いように見受けられます。
栢菅 : 私は前職で企業のカスタマージャーニーのワークショップに携わったことがあります。多くの部門の方が参加されてアウトプットを作るのですが、持ち帰ると自部門だけのものになっているというケースがけっこう多かったと思います。全体設計としてあるべき形にまとめ上げるというところに、どの企業も苦労されているようでした。
秋山 : 顧客体験設計のプロジェクトをコンタクトセンターがリードすることはありましたか?
栢菅 : コンタクトセンターやカスタマーサポートが主導して全体設計を考えましょうというケースは、私の経験ではほとんどありませんでした。
秋山 : 顧客体験設計を行うには、お客様の現状や体験に詳しい部署の担当者に参加してもらわないといけませんよね。電話や問い合わせを受けた経験のない部署の人たちがリードできるのでしょうか?
高橋 : 多くの会社では、事業部ごとにジョブが分断されてしまっているので、例えばマーケティング部の方が、コンタクトセンターの業務をイメージするのは、なかなか難しかったりします。