2023年7月、UA(ユニバーサルアナリティクス)の計測が停止します。GA4(Googleアナリティクス4)の導入、活用は進んでいますか?
前回の記事では、「GA4をまだ導入していない」「GA4で何ができるのか知りたい」という方向けに、GA4の基礎を解説しました。今回の記事では、
- レポート機能の使い方と見方
- 探索機能の使い方
を解説します。主に、「導入はしたものの使い方や見方がよく分からない」「探索機能の使い方が分からない」など、まだGA4をうまく活用できていない方におすすめです。
2023年7月、UA(ユニバーサルアナリティクス)の計測が停止します。GA4(Googleアナリティクス4)の導入、活用は進んでいますか?
前回の記事では、「GA4をまだ導入していない」「GA4で何ができるのか知りたい」という方向けに、GA4の基礎を解説しました。今回の記事では、
を解説します。主に、「導入はしたものの使い方や見方がよく分からない」「探索機能の使い方が分からない」など、まだGA4をうまく活用できていない方におすすめです。
※2022年11月に開催されたウェビナーを採録し、編集した記事です。
※この連載はGA4の無償版についての解説です。GA4の有償版の話をする場合には、「有償版」と記載します。
GA4の左メニューで、特に良く使うのが「レポート」と「探索」です。
スライド左側が「レポート」です。あらかじめ用意された項目の中から、見たいレポートを選択して、データを確認するという使い方です。主にサイト全体の状況を把握したい場合に利用します。
スライド右側が、「探索」です。自分でディメンション、指標、セグメントを掛け合わせて、出したいグラフやデータを作成していくという使い方です。こちらは、課題発見や深掘り分析をしたい場合に利用します。
どのレポートも、「概要」と「詳細」で構成されています。グラフや割合だけを見たいのであれば「概要」、さらに詳しい数値を見たい場合は、概要の各カードから「〇〇を表示」をクリックすれば、「詳細」を確認できます。
「ユーザー属性」レポートを例に説明します。「ユーザー属性」の「概要」をクリックすると、「概要」レポートが表示されます。
矢印のところに注目してください。「性別を表示」をクリックすると、「詳細」レポートに遷移できます。「詳細」レポートでは、表形式でディメンションと指標のデータを確認できます。
Webサイトに来訪するユーザーは男性と女性のどちらが多いのかを見たいときは、「ユーザー」>「ユーザー属性」>「概要」の「ユーザー(性別)」カードで確認します。カードの右下「性別を表示」をクリックすると、性別の詳細レポートを確認できます。コンバージョンやエンゲージメントを確認して、UI/UXの改善に役立てると良いでしょう。
「ユーザー」>「ユーザー属性」>「概要」の「ユーザー(年齢)」カードでユーザーの年齢分布を確認できます。エンゲージメントやコンバージョンを定期的に確認すれば良いでしょう。
性別×年齢の掛け合わせをするには、セカンダリディメンションを利用します。「ユーザー」>「ユーザー属性」>「ユーザー属性の詳細」画面の下部にある表形式に「+」ボタンがあります。これがセカンダリディメンションです。この「+」ボタンをクリックします。
「+」ボタンをクリックすると、ディメンションの候補が出てきます(上図右)。ここで「ユーザー属性」>「性別」を選択すれば、性別×年齢の掛け合わせデータが表示されます。
性別、年齢、興味関心のデータを見るには、GoogleシグナルをONにしなくてはなりません。画面左下の「歯車マーク(管理)」>「プロパティ」>「データ設定」>「データ収集」で「Googleシグナルのデータ収集」画面を表示し、GoogleシグナルをONにすれば性別、年齢、興味関心が分かるようになります。
GA4は、ユーザーがGoogleアカウントに登録している情報や過去に閲覧したWebサイトから性別、年齢、興味関心を判断していますので、データはあくまでGoogleが推測した値です。データは保持期間(2カ月)が終了すると月単位で自動的に削除されます。年齢、性別、興味関心のデータを見るときは、これらの点に注意してください。
Googleシグナルをオンにすると、データ量が少ない場合、数値が表示されない場合があります。これを「しきい値」といい、レポート名の横にあるアイコンが赤くなります(下図左)。
しきい値が出現する可能性を減らすには、「歯車マーク(管理)」>「プロパティ」>「レポート用識別子」という画面で、「デバイスベース」を選択します(可能性が減るだけで、まったく出現しなくなるわけではありません)。変更は過去にさかのぼって反映されます。必要に応じて適宜、設定を変えましょう。
「ユーザー」>「テクノロジー」>「概要」の「ユーザー(デバイスカテゴリ)を見て、「デバイスカテゴリを表示」をクリックするか、「ユーザー」>「テクノロジー」>「ユーザーの環境の詳細」をクリックすれば、サイト全体のデバイス割合を確認できます。
サイト全体におけるデバイスの割合や、コンバージョンなどを定期的にチェックすることで、集客やサイト内改善の優先順位を判断しやすくなります。
ユーザーが自然検索から来ているのか、広告から来ているのか、チャネル別の流入数を調べるには、「集客」>「概要」>「トラフィック獲得レポートを表示」(または「集客」>「トラフィック獲得」)をクリックし、「トラフィック獲得」レポート(下図右)を確認します。
「トラフィック獲得」レポートでは、いわゆるデフォルトチャネルグループごとに、セッション数やエンゲージメント、コンバージョンを見ることができて、チャネル別でWebサイトにどれくらい貢献しているかが分かります。これはかなり利用頻度の高いレポートですので、見方を覚えておきましょう。
各ページのページビュー数を調べたい場合は、「エンゲージメント」>「ページとスクリーン」というレポートを見ます。
「ページとスクリーン」レポート(上図左)では、各ページの「ページビュー数」や「ユーザー数」などを確認できます。GA4では「表示回数」という指標が「ページビュー数」に当たります。覚えておきましょう。
もうひとつ注意しなくてはいけないポイントですが、GA4では「ランディングページ」というレポートがないため、見るにはちょっとした操作が必要になります。
「ページとスクリーン」レポート(上図左)の表形式の右の方にある「イベント数」という指標が「すべてのイベント」になっています。ここで「▼」ボタンをクリックし(上図右)、「session_start」を選択すれば、ランディングページの流入数を確認することができます。これはかなり使えるので覚えておきましょう。
GA4では、直帰率はデフォルトでは見られません。直帰率を見るには、「ペンのマーク(レポートをカスタマイズする」>「指標」>「指標を追加」をクリックし、「セッション」の指標の中に「直帰率」がありますので、これを追加してください。直帰率を見られるようになります。
レポートではセグメントが使えません。データを特定の条件で絞り込んで比較したいときは、「比較」という機能を使います。
試しに、モバイルとデスクトップで、各チャネルの流入数やコンバージョン数を比較してみます。「ライフサイクル」>「集客」>「トラフィック獲得」を表示して、レポート右上にある「グラフアイコン(比較データを編集)」をクリックすると、メニューが表示されます(下図左)。「新しい比較を追加」をクリックしましょう。
「比較の作成」画面(上図右)が表示されますので、条件を選択します。今回はディメンションに「デバイスカテゴリ」、ディメンションの値に「mobile」を選択し、右下の「適用」をクリックします。
このようなグラフが表示され、データを比較できます(上図左)。
さらにデスクトップのユーザー数と比較したい場合は、同様にディメンションに「デバイスカテゴリ」、ディメンション値に「desktop」を選択し、「すべてのユーザー」を削除すれば、モバイルとデスクトップで各チャネルの流入数やコンバージョン数の比較ができます(上図右)。
以上がレポート機能です。少しずつでいいので、自分のできることを増やしてみてください。
続いて探索機能です。「気付きを得たい」「課題を発見したい」「深掘り分析をしたい」という場合は、左メニューの「探索」(下図右)を利用します。
基本的な使い方は、「自分でテンプレートを選択する」「ディメンション、指標、セグメントを掛け合わせて、欲しいデータを出す」の2ステップです。
左メニューの「探索」をクリックし、右上の「テンプレートギャラリー」をクリックすると、テンプレートの一覧が出てきます。
さまざまなテンプレートがありますが、なかでも「空白」はよく使いますので、「空白」をベースにして、「探索」の方法を解説します。
「探索」は3つのエリア「変数」「タブの設定」「出力」で構成されています。
レポートの作成フローは、以下のとおりです。
まずは「変数」エリアでディメンションを登録します。ディメンションとは「切り口」のことです。例えば「デバイスごとのユーザー数」が見たい場合、「デバイスごと」「チャネルごと」などがディメンションにあたります。
「+」ボタンをクリックし、ディメンションを適宜選択(チェック)し、インポートをクリックすると、ディメンションが登録されます(例では「デバイスカテゴリ」)。
続いて、指標を登録します。指標は、「ユーザー数」「新規ユーザー数」「エンゲージのあったセッション数」など、数や率で表せるデータです。
「+」ボタンをクリックし、調べたい指標を適宜選択(チェック)し、インポートをクリックすると、指標が登録されます。
今、登録したディメンションと指標の中から、使いたい項目をダブルクリックして選択します。すると、「出力」エリアのレポートに反映されます。
以上が、「探索」の基本的な使い方の流れです。
セグメントとは、取得されたデータを「何かしらの条件」で絞り込むための機能です。セグメントを有効活用するには「比較」と「絞り込み」を意識するようにしましょう。例えば以下のような使い方をします。
セグメントを使いこなせるようになると、分析の幅が格段に広がり、多くの気づきを得ることができます。
セグメントの使い方ですが、「変数」エリアの「セグメント」にある「+」ボタンをクリックします。「セグメントの新規作成」が開かれて「カスタムセグメントを作成」と「おすすめのセグメント」が表示されます。
「カスタムセグメントを作成」の中に、「ユーザーセグメント」「セッションセグメント」「イベントセグメント」という3つの選択肢があります。セグメントを正しく使うには、この3つの違いを理解しておく必要があります。ウェビナーでは例を挙げて詳しく解説しましたが、この記事では割愛します。
続いて、セグメントの作り方を解説します。
「変数」エリアにある「セグメント」の横の「+」ボタンをクリックします。「セグメントの新規作成」画面が開き、「カスタムセグメントを作成」と「おすすめのセグメント」が表示されます。今回は「カスタムセグメント」を作成します。
「カスタムセグメントを作成」の中には「ユーザーセグメント」「セッションセグメント」「イベントセグメント」の3種類があります。今回は「セッションセグメント」を選択します。「セッションセグメント」をクリックすると、下図左のような画面に切り替わりますので、「新しい条件の追加」をクリックします。
ディメンションや指標が出てきますのでセグメントをかけたい条件を設定します。今回はモバイルから来たユーザーでセグメントをかけたいとします。その場合は、「プラットフォーム/デバイス」の「デバイスカテゴリ」を選択します。
次に「フィルタを追加」をクリックすると、画面(下図)のような「条件」が表示されます。今回はモバイルセグメントなので「完全一致」で「モバイル」を設定します。設定すると右側に該当条件にあたるユーザー数やセッション数が表示されます。該当ユーザーがいることが確認できたら「保存」をクリックします。
これでレポートにモバイルセッションというセグメントを設定できました。
以上がセグメントの基本的な作成方法です。分析する上でセグメントは非常に大事な機能です。今回は基本の使い方しか説明しませんでしたが、使いながら少しずつ覚えていきましょう。
今回は、GA4の活用編として、「レポート」と「探索」を解説しました。GA4の理解が少し進んで、導入してみようかなとか、自分でちょっとやってみようかなという気になっていただけたら嬉しく思います。
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