アンケートの質問内容は、①ご自身が認識している体質、②飲み会・お酒が好きか嫌いか、③性別、④生年、の4点です。
事前に登録いただくお客様の基本情報とアンケート回答データ、注文商品の詳細などを情報収集・分析をすることで、今後の商品やサービスの開発につなげています。
吉岡 : 特にどういったことを意識してデータ分析をされていますか?
加藤 : 売上、来店者数、リピート率は毎日見ていますが、そうした全体的な数字以上に、N=1(1人ひとりの顧客)の傾向やインサイトを意識してデータを見ています。
たとえば、お酒に弱い方はビール味が苦手な人が多い傾向にあるのですが、「ピーチビールなら美味しく飲める」という声が複数ありました。そこで、ピーチビールの販売データを見てみたところ、実際、お酒に弱い方もピーチビールを頼んでいることがわかりました。
飲んでいるアルコール度数は0.5%も多かったことから、「フルーティーな0.5%のビールテイスト飲料は、ビールエントリー商品となる可能性があるのではないか」という仮説が立てられます。こうしたデータは、今後の店舗運営にだけでなく、アサヒビールにフィードバックします。
吉岡 : 今までにない市場を狙って、新しい商品を開発するには、徹底的に1人ひとりのインサイトを追究していかないとダメなんですよね。そういう意味で、印象に残っている定性データはありますか?
加藤 : 「初めて2杯目のお酒が飲めた」という声は印象深いですね。飲める方だとピンとこないかもしれませんが、お酒に弱い方が飲み会に行くと、最初の1杯だけを氷が溶けるまでゆっくり飲んでいたり、あとはソフトドリンクということも多いと思います。みんなと同じペースで飲めたというのはやっぱりうれしいだろうなと思いますし、その声を踏まえて、2杯目はなんだろうとデータを深掘りしていく、という形でデータを見ていくことが重要と考えています。