デジタル顧客体験プラットフォームを提供するアクイア主催の「2023 Partner Awards」において、電通デジタルは「Partner Advocate of the Year」を受賞しました。アクイアのアワードプログラムにおいて、電通デジタルの受賞は5回目となります。アクイアの戦略に紐づいて市場へ積極的に影響を与えたパートナー企業が選ばれる「Partner Advocate of the Year」を受賞した要因と、電通デジタルの取り組みについて、担当者3人に聞きました。
アクイアDXPは、多言語対応が容易な顧客体験プラットフォーム
――まず、アクイアについて改めて教えてください。
川上勉:Webサイトの構築に世界中で利用され、高く評価されているコンテンツ管理システム(CMS)に、「Drupal(ドゥルーパル)」というものがあります。この「Drupal」を最適に動かすためのクラウド環境を提供しているのがアクイアです。
川上直記:「Drupal」は、世界中の企業だけでなく大学や官公庁で利用されています。知られているところでは、日本のデジタル庁もCMSとして採用しています。オープンソースなので、CMSに関するライセンス費用がかかりません。加えて、グローバルで使われていることもあり、コストバランスも含めて多言語対応がしやすいのが特徴です。
高見:CMSのみにとどまらず、MAツールやCDP(カスタマーデータプラットフォーム)、DAM(デジタルアセット管理システム)、PIM(製品情報管理)ツールと幅広く展開しているのもアクイアの特徴です。「Acquia Digital Experience Platform(DXP)」と銘打ったプラットフォームを基軸に、クライアント企業の顧客体験を全面的に支えることができます。
――アクイアが主催する「2023 Partner Awards」とは、どのようなものですか。また、今回受賞した「Partner Advocate of the Year」はどんな賞なのでしょうか。
川上勉:「2023 Partner Awards」は、アクイアのビジネス発展に貢献したトップパフォーマー企業を選ぶ賞です。これまで電通デジタルは、2019年の「上半期大型案件賞」(旧電通アイソバー)、2020年の「Partner of the Year 2020」、2022年の「Experience Acquia Japan Awards 2022 - Best DXP Project Award -」、2023年の「Global Award」を獲得してきました。今回の「Partner Advocate of the Year」で5回目の受賞となります。
川上直記:電通グループの海外事業でCXM(カスタマー・エクスペリエンス・マネジメント)領域を中心的に担うMerkleも、ヨーロッパ、中東、アフリカ地域のカテゴリーで受賞を果たしました。グローバル展開を推進する企業に対し、アクイアのDXPを活用したCX(カスタマー・エクスペリエンス)推進を電通グループとして総合的に支援しています。
高見:オープンソースCMSを中核としていることもあり、700社以上にのぼるパートナー企業とともによりよい製品、サービスを提供していこうというのがアクイアの意向としてあると思います。今回、当社が受賞した「Partner Advocate of the Year」は、「Advocate(提唱する)」という言葉に表れているように、その中でもアクイアの戦略に紐づいて市場へ積極的な影響を与えたパートナー企業が選ばれる賞です。
グローバル製造業のマーケティング戦略再構築に貢献
――電通デジタルが「最も市場へ積極的な影響を与えた」と評価された理由は何でしょうか。
高見:最大のポイントは、先ほど申し上げた「CMSのみにとどまらない」アクイアの価値をクライアント企業に提供できたことだと思います。CMSである「Drupal」を導入するだけだと、Webサイトのリニューアルにとどまってしまいますが、電通デジタルの強みであるデジタルマーケティングをしっかりと回せる仕組みごと提供することで、多くのクライアントのCX向上に貢献できました。
また、迅速かつセキュアなプロジェクトの進め方や、アクイアが新たに展開しているDAMやさまざまなモジュールに関するセミナーを多数開催したことも、評価いただいたポイントだと思っています。
――クライアント企業へのアクイアのDXPの提案・導入支援について教えてください。アクイア社とはどのような連携を図っているのですか?
川上勉:アクイア社とは、2018年頃から連携を開始し、デジタルマーケティングを組み込んだWebサイトリニューアルプロジェクトに数多く取り組んでいます。
たとえば、あるグローバル製造業のクライアント企業は、グローバルで大量の製品コンテンツを管理しつつ、各リージョンのローカルマーケティングに対応したいというご要望がありました。忙しいエンドユーザーが、知りたい製品情報にすぐアクセスできるだけでなく、必要に応じてメールなどで適切な情報提供を行う仕組みが求められていたのです。
川上直記:その仕組みを実現するには、MAツールに加えてパーソナライゼーションのツールも導入する必要がありました。そこで、アクイア社と密接に連携し、導入サポートからツールについての勉強会、トレーニングのプログラム開発なども行いました。従来にない取り組みでしたので、横展開させるためにビジネスメディアへの記事掲載も実施しています。
明確な指標のもと、柔軟なデジタルマーケティングの運用が可能に
――電通デジタルのアクイアDXPを活用したCX向上支援には、どのような特徴がありますか?
高見:どうしても700社以上もパートナー企業があると、提供するサポートの質にも差が出てきます。クライアント企業にとっても、CMSの導入やWebサイトのリニューアルだけで終わるのではなく、エンドユーザーの顧客体験を向上させたいというニーズが当然ありますので、CXや顧客体験デザインの知見を持つメンバーを多数そろえた電通デジタルの強みが生かしやすいと考えています。
川上直記:CX向上の支援においては、指針を掲げるだけでなく、着実に進めていけるようクライアント企業と議論を重ねてKGI、KPIといった指標を最初に固めます。そういった指標をCMSで管理できるように設計しますので、ローンチ後に運用しながら数値を確認し、新たな施策を打つといったサイクルを回していくことができます。明確なデータをもとに、柔軟な運用の実現をお手伝いできるのが、電通デジタルのアクイアDXP導入支援の大きな強みだと思っています。
――電通デジタルの支援に対し、クライアント企業からはどのような評価を受けていますか?
川上勉:顧客体験のプラットフォーム構築といったハード面だけでなく、コンテンツの制作や広告運用のサポートによって具体的な顧客体験設計のお手伝いができるのも、電通デジタルのアクイアDXP導入支援で評価いただいている点です。入口はWebサイトのリニューアルであっても、コミュニケーションを重ねることで潜在的なニーズが浮き彫りになり、マーケティング戦略を見直すきっかけになったと喜ばれるケースも少なくありません。あるBtoBのクライアント企業は、アクイアDXPをデジタルマーケティングのプラットフォームとして活用し、従来は難しかったリード(見込み顧客)の育成が可能になったという声もいただいています。
川上直記:これは電通デジタルの強みですが、プランナーやUXデザイナー、テクニカルディレクターまで経験豊かなメンバーがそろっているので、クライアントのご要望を迅速にキャッチアップできます。そういったメンバーがミーティングにも参加するので、疑問点がすぐ解消してスピーディにプロジェクトが進められるというのは、よくおっしゃっていただけることです。
高見:プロジェクトマネジメントに力を入れているのが電通デジタルの特徴ですが、マネジメント力のあるメンバーが揃っているだけでなく、プロジェクトデザインのプロトタイプを迅速に作成しているのは、評価ポイントだと思います。早い段階でユーザーテストができ、どんな価値が創出できるか試して改善点を早期に反映できるので、質の高さも担保できていると思います。
WebアクセシビリティやAI搭載にも対応
――アクイアのDXPを活用して、今後どのようなことに取り組んでいこうと考えていますか? アクイア社とのさらなる連携のために取り組んでいることなど、今後の展望をお聞かせください。
川上勉:直近では、2024年4月1日から障害者差別解消法の施行にともない、企業のwebアクセシビリティ対応が必要になりました。現在、関連ツールの導入をアクイア社が進めており、電通デジタルとしてもwebアクセシビリティの知見を獲得しつつ、アクイアDXPにおける展開をクライアント企業にご提案していきたいと思っています。
高見:Webアクセシビリティに関しては、早急なキャッチアップが求められていますので、アクイア社とともにセミナーの開催も含めた取り組みを加速させていきます。電通デジタルの社内に向けても、Slackのチームチャンネルなどを活用しながら、情報の発信を強化していきたいと考えています。
川上直記:AIに関する取り組みをアクイア社とともに強化していくのも、今後の課題です。AIに関しては、多数のクライアント企業がすぐにでも取り組みたい意向をお持ちです。電通デジタルに在籍する多くのAIスペシャリストとチームを組みながら、柔軟かつ迅速な提案をしていきたいと思います。
川上勉:Webサイトのリニューアルやコンテンツの管理だけにとどまらず、幅広い顧客体験を提供できるのがアクイアDXPの魅力です。今後さらにアクイア社との連携を強化してデジタルマーケティングの総合的な運用力やパフォーマンスを高度化していきたいと考えています。
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