電通デジタルでは、2024年1月から世の中のコマースニュースをお届けするウェビナー「電通デジタルコマースニュース」を開催しています。第7回の本記事では、ソリューションディレクターの髙田拓之とコンサルタントの高橋司が、開催したウェビナーの内容を振り返りながらお届けします。
24年7月コマーストピック 越境ECの需要と供給
髙田:以前のコマースニュースでも取り上げましたが、越境ECは業界の中でも注目の一つとなっております。なぜ注目されているのかがわかる面白い調査がありました。ディーエムソリューションズ株式会社にてアメリカ、イギリス、中国、台湾、シンガポール、マレーシア、インドネシア、タイの20~40代を対象に日本製品の需要について調査し、実に約9割が日本の商品やブランドが欲しいと感じている[1]。それは日本の品質の高さや本物さが表れている結果となりました。
一方で、海外ユーザーは日本製品を情報としてはキャッチしているものの、商品が買えない、見つからないということでがっかりした経験をした方が実に8割以上います。
また、認知のきっかけはSNSや友人からの情報、次いでテレビ・ラジオ等の媒体と続き、各国に適したSNSマーケティングをすることが認知のきっかけになっていることも分かりました。
海外展開は言語や決済、配送などの障壁も多いと感じる方もいるかと思いますが、自社ECにタグをつけるだけで各国にお届けできる「Buyee Connect」や「World Shopping Biz」などのサービスも出ており、その障壁もだいぶ下がっていると感じます。
各配送業者の取り組み
配送業者の取り組みについて、コマースに関連するものをピックアップしてお伝えいたします。
佐川急便「置き配」始める
既に一部の地域やヤマト運輸では実施している「置き配」を佐川急便も開始します[2]。2024年9月より宅配ボックスや玄関前、車の車庫、自転車のカゴまで、受取場所の指定が可能になるサービスです。佐川急便のスマートクラブ会員またはLINE公式アカウントからのお届け予定通知から受け取り場所の設定ができるようになる予定です。
事業者側としては、より利用しやすいラストワンマイル対応として有効活用できるでしょう。
DHL、スモールビジネス向けに一連のデジタルツールを強化
先ほど越境について触れましたが、DHLではスモールビジネスの海外展開事業の支援をすると発表しています[3]。
個人事業主や法人番号を持たない団体でもDHLのアカウント開設を可能にし、新規にDHL Expressアカウントを開設したユーザーは、4ヵ月運送料金を50%割引、5ヵ月目以降は前月の利用実績に応じて送料最大70%割引で利用できます。
またAmazon、eBay 、Shopify、Magento、WooCommerceなどのECプラットフォームと統合し、発送の自動化やフルフィルメントプロセスの管理をサポートするツールを提供。複数ある越境ECの発送注文を一元管理し、効率的な出荷が可能となる予定です。
物流の「2024年問題」で、送料の値上げやサービスの見直しなどを余儀なくされた事業者側にも、これらは嬉しいニュースです。こういったサービスは是非活用していきましょう。特に海外への障壁が下がっている昨今、積極的かつスピーディーに取り入れることが事業拡大への近道かもしれません。
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さてここからは、AI Drivenで描くゴールデンパスのこれからについて高橋よりお伝えいたします。
ゴールデンパス分析とは?
高橋:ご存じの方も多いかと存じますが、「ゴ―ルデンパス分析」の定義とは「CVR改善、集客、Web接客、LTV向上、データ活用など、ゴールデンパス分析は、様々な顧客行動を可視化しCV起点で問題/課題を発見すること」です。
言い換えると、様々な施策から成り立つ顧客体験において水漏れ箇所を把握し、そこにしっかりとテープを張ることで流通額の最大化を目指そうというわけです。
AIによるゴールデンパス分析
今まで施策結果の確認をログベースで行い、確認結果をもとに次の打ち手を考えてレポート化し、社内で検証する。いわゆるPDCAを人ベースで行っていたことを、AIに置き換えられるところはAI化していくことが大事です。
AIに置き換えることでご担当者様の「業務効率化」や施策PDCAが早まることによる「CV率改善」が期待できるわけです。
さらに、分析の効率化だけでなく、CVに至ったユーザーの属性や行動履歴をふまえ、生成AIを使って特徴の示唆出しができるようになりました。
※デモを実際にご覧いただくことも可能ですので、ご興味がある方は、記事下のお問い合わせよりご連絡ください。
下記は保険会社を想定したサンプルデータを基に実際に生成AIが示唆した内容です。
上記のような生成AIから示唆されたレポートを活用することで、これまではアナリスト(人)が行っていた分析と近しいアウトプットをすぐに得ることができ、分析にかけていた時間を、より改善の打ち手検討に使うことができるようになります。まとめると、AIを活用したゴールデンパス分析ではこのようなプロセスを効率化します。
- 主要CV行動、サイト回遊状況の可視化
- 回遊やCVを妨げる離脱ポイントの指摘
- 改善のための施策アイディエーション
今後の展望
現在のEコマースはサイト上に商品を並べて、商品の特徴を検索してもらい、ユーザーが気に入ったら購入するというのが一連の流れだと思います。ただ、今後はChat GPTなど生成AIの出現により、購買までの流れが変わる可能性があります。
生成AIの出現により、対話型で欲しい情報の返答がくれば、わざわざ検索してサイトに訪れて様々な商品を閲覧して選ぶという必要がなくなります。
Eコマースの世界でも、顧客の購買意志決定フローが大きく変わる可能性があるということです。
電通デジタルでは、オウンドメディアをサービスへと進化させる次世代AIオウンドメディア「Owned HumanTM」をリリースしております。対話型でサービスが提供されていく世界観についてイメージしやすいかなと思います。
コンセプト紹介動画はこちら
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さて、今回ご紹介した内容はいかがだったでしょうか? 昨今様々なAI活用が謳われておりますが、EC事業におけるAI活用は身近にあると言えると思います。皆さまの業務に少しでもお役立ていただければ幸いです。
電通デジタルコマースニュース
コマースウェビナー開催中
日々コマース事業に勤しむ皆さまに、最新のコマースニュースをお届けしていきます。
- お昼のちょっとしたブレイクタイムに
- 会社内での話のネタに
- お客様との会話に
ご活用いただけたら幸いです。
ぜひご視聴ください。
ウェビナーアーカイブ配信中
脚注(出典)
1. ディーエムソリューションズ株式会社:越境ECとは?その将来性や失敗しない始め方5STEPなどを徹底解説【基礎知識】
2.佐川急便株式会社:「【佐川急便】佐川急便が配達するお荷物で「置き配」の選択が可能に スマートクラブ会員やLINE公式アカウントが対象」ニュースリリース(2024年7月10日)
3.DHL Japan:「DHL、デジタルツール強化でスモールビジネスの海外事業展開をサポート」プレスリリース(2024年7月18日)
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