2025.02.10
テレビ視聴データを活用したオンオフ統合のターゲティング配信・分析を可能にするSTADIA×PremiumView
近年、コネクテッドTVの視聴が増加してきており、動画広告の出稿ニーズが高まっています。電通と電通デジタルは、コネクテッドTVにおいてテレビ視聴データを用いたオンライン・オフラインの統合マーケティング基盤「STADIA」を活用し、「PremiumViewインストリーム動画広告」(以下、PremiumView)でのターゲティング配信と分析サービスを提供しています。STADIA×PremiumViewでどのような施策が可能なのか、担当者2名に聞きました。
※2024年12月時点での所属・役職です
動画視聴形態の多様化とテレビデバイスの急成長
――昨今の生活者の動画視聴環境について教えてください。
藤:近年、大画面視聴に適した動画配信サービスの利用が拡大し、視聴形態が多様化してきています。従来は、スマートフォンやPCがメインの視聴デバイスでしたが、昨今はそれに加えてコネクテッドTV(インターネット回線に接続されたテレビ端末)がかなり増加している状況です。
動画配信サービスの利用率は、TVerは2024年8月に月間ユーザー数が過去最高の4,100万MUB(月間ユニークブラウザ数)を記録、ABEMAは2024年9月に週間ユーザーが3,000万WAU(週間アクティブユーザー数)を突破しました。ユーザー数は今後も拡大していくと想定しています。
そうした中、視聴デバイスとしてコネクテッドTVの比率が高まっている状況で、動画広告の出稿ニーズが急拡大しています。
――広告を出稿したいと考える広告主に対して、電通はSTADIAというサービスを提供しています。どのようなソリューションなのか、簡単に教えてください。
原:STADIAは、ユーザーの同意許諾を得たテレビメーカー由来の視聴データに基づいて、デジタル広告の配信・効果検証が可能な統合マーケティングプラットフォームで、大きく分けて2つの使い方ができます。
1つは、コネクテッドTVの視聴データにもとづいたターゲティング広告配信です。地上波テレビ番組の視聴傾向やCMへの接触頻度などの視聴データをもとに配信セグメントを作成し、コネクテッドTVでターゲティング広告の配信を行えます。また、特定番組であったり、番組ジャンルであったり、出演者であったり、テレビにまつわるさまざまな情報の切り口でセグメントを作成し配信することも可能です。
もう1つは、オンライン(デジタル)とオフライン(テレビ)を統合した分析での活用です。地上波テレビCMに接触した視聴者に対して、インクリメンタルリーチの状況や、デジタル広告の重複接触者に関してのリーチ分析、効率比較の分析などが可能です。
――STADIA活用の現状を教えてください。
原:STADIAの活用事例数はターゲティング広告の配信、分析ともに順調に推移しています。特に配信に関しては、PremiumViewを中心に、さまざまな媒体に対してSTADIAセグメントを活用したターゲティング広告の配信が増えてきています。STADIA×PremiumViewは、件数ベースで昨年対比133%の実績を上げています。
――なぜ今、STADIA×PremiumViewを使って広告配信を行う企業が増えているのでしょうか?
原:テレビCMでリーチできるユーザー層が、少し限られてきている現状があると見ています。そうした課題に対して、テレビCM非接触者へのリーチをデジタル広告でカバーしたり、逆にテレビCMに接触している人に対してデジタル広告を配信することでフリークエンシーを高めて、商品・サービスへの関心度を継続的に強めたりするといった使い方に、関心を持っていただけているのではないかと思います。
STADIA×PremiumViewにより、インストリーム動画広告を使ったオンオフ統合マーケティングを実現
――STADIAとの掛け合わせで利用されているPremiumViewとは、どのようなサービスですか?
藤:TVer、ABEMAといった動画配信サービスにおいて、ブランドセーフティで質の高いプレミアムコンテンツにのみ配信するインストリーム動画広告で、電通独自の広告プロダクトです。
ユーザー投稿動画ではなく、ドラマや映画を中心としたコンテンツであるため、音声ONかつ画面をしっかりと見た状態での広告接触が可能です。視聴者が広告へのストレスを感じづらいので、動画広告のメッセージが伝わりやすく、ブランドリフト効果が高いことが特徴です。
――STADIAとPremiumViewを連携することで、どのようなことが可能になるのでしょうか?
藤:大きな特長は、テレビの視聴データを活用した、いわゆるオンオフ連携させた広告配信ができることです。たとえばリーチを最大化させたい場合は、テレビCMに接触していないユーザーに対してデジタル広告を配信する非接触者配信ができます。対して、認知を拡大させたい場合は、テレビCMに接触したユーザーにデジタル広告を重複接触させることで、フリークエンシーを高めて認知を拡大できます。このように、KPIに合わせたテレビ視聴データと掛け合わせた配信が主な活用イメージです。
もう1点、テレビ視聴データを活用して柔軟にセグメント設計ができることも、STADIAの強みとして挙げられます。たとえば、テレビでアニメ番組を見ている人を捉えてデジタル広告を配信すれば「アニメ関心層」というセグメントを作れます。セグメントはかなり柔軟に設定できます。1つの番組単位でもいいですし、特定のジャンルのテレビ番組を視聴している人や、興味・関心をターゲットにしたセグメントを作成することもできます。こうしたセグメントを使って、フリークエンシーを高めたり、認知・関心を高めたりといった運用をするケースも増えてきています。
原:STADIAとPremiumViewの相性の良さは、もう1点あります。インストリーム動画広告を配信するコンテンツがTVerやABEMAなど、放送局由来の高品質なコンテンツであるため、地上波テレビCMと連動する上で、特に親和性が高い商品です。
テレビ番組単位や出演者単位など、柔軟なセグメント作成が可能に
――STADIA× PremiumViewの動画広告配信について、事例を紹介していただけますか?
藤:2024年11月に開催された大型スポーツコンテンツでは、関連の番組やニュースを視聴したユーザーを視聴データに基づいたセグメントを作成し、グローバルな衣料ブランドのデジタル広告を配信しました。そういった形で世の中の大きな関心事やモーメントを捉えたデジタル配信を数多く手がけています。
先ほど柔軟な設計ができると紹介しましたが、通常では捉えにくいようなセグメントもSTADIAでは実現できます。たとえば、「小さな子どもを持つ親」がターゲットになっている商材に対して、STADIAで子ども向け番組の視聴者を捉えてセグメントを作成し、デジタル広告を配信しました。これも新しい配信手法として、広告主から高い評価をいただいています。
原:特定の番組に加えて、出演者でもセグメントを作成できます。音楽配信アプリ提供会社から「ある音楽グループのファンをターゲットにしたい」とご相談をいただきました。そこで、彼らが出ている番組を集計し、出演している時間帯を絞り込み、その中でさらによく見ているヘビーユーザーをターゲットにしたセグメントを作成して、広告を配信しました。
――今後、STADIA× PremiumViewでどのような展開を考えていますか?
原:最初に言及しましたが、今後、大画面のコネクテッドTVは配信・分析ともに大きな注目を集めていく中で、STADIAであれば、コネクテッドTV面もターゲティングできるようになります。地上波テレビとPremiumViewの親和性が高い面、媒体において、一気通貫で動画広告の配信・分析ができるという強みを、さらに打ち出していきたいと思っています。
――最後に、オンオフ連携の広告配信施策を検討されている企業のご担当者に向けて、メッセージをお願いいたします。
原:STADIAは従来、テレビCM非接触者やテレビのライト視聴者層にデジタル広告を配信する目的で多く使われてきました。それだけではなく、特定番組であったり、番組ジャンルであったり、出演者であったり、テレビにまつわるさまざまな情報の切り口でSTADIAはセグメントを作成し、配信・検証できることを、この機会に知っていただければと思っています。今回挙げた事例の他にも、特定の地域、時間帯、興味関心に基づいた高度なセグメントの作成と配信も可能ですので、ぜひお気軽にご相談ください。
藤:STADIAにはテレビの視聴データがかなり蓄積されてきています。現在、主にデジタル施策を中心にマーケティングを行っている広告主にも、テレビのデータにはさまざまな使い方があるということをお伝えしたいです。今後、テレビの視聴データを活用したデジタル広告配信のニーズが高まってくると見込まれる中で、STADIAは配信から分析までをシームレスに実施できるソリューションに成長しています。STADIA×PremiumViewによってオンライン・オフラインを統合したマーケティング効果を最大化することで、広告主のマーケティング活動に貢献したいと考えています。
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お問い合わせ詳細欄に「電通デジタル プラットフォーム1部 Video推進グループ宛」と記載してください。
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