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プレスリリース
Fu-man insight lab™第2弾「Withコロナ社会における、不満意識調査」を実施
―不満は徐々に緩和。一方で、定着傾向が見えた5大不満テーマ(レジャー・リフレッシュ・人との繋がり・衛生管理・ショッピング)内では、新たな不満タイプが出現―
2020.09.08
株式会社電通デジタル(本社:東京都港区 代表取締役社長執行役員:川上 宗一 以下、電通デジタル)は、専門チーム「Fu-man insight lab™(フーマンインサイトラボ)」において、「人々(ヒューマン)の不満に迫れば、新しい価値の種が見えてくる。」をスローガンに、昨今の新型コロナウイルス感染症の影響による新生活様式への移行に伴い急激に噴出した人々の不満の探索を通し、新たな顧客体験(以下、CX:カスタマーエクスペリエンス)変革の戦略構築を支援しています。同ラボでは、株式会社電通マクロミルインサイトに委託し、第2弾「Withコロナ社会における、不満意識調査」を実施いたしました。一部、主な調査結果を発表します。
調査実施の目的
新しい生活様式への移行に伴い、生活者の価値意識は大きく変化しています。そんな中、ニューノーマルに向けてマーケティング担当者が見極めるべきは、一時的な価値意識変化か、定着していく価値意識変化かという点です。第1弾の調査を5月に実施し※1、3か月が経過した現在では、通勤・通学など社会活動が再開される中、コロナ禍における生活者の新ライフスタイルも多様化してきています。そんな中、"不満意識"はどう変化してきているのでしょうか。第2弾調査では、第1弾との比較から生活者の不満意識の変化を捉えながら、新たな視点としてライフスタイルの違いにおける「不満意識の差」について調査しました。また、この調査結果をカテゴライズし、6タイプの"新Fu-manさん"を抽出しました。新生活様式に伴う不満として根付きつつあるもの、薄れたもの、新たに生じたものを把握することで、ニューノーマルに定着していくと考えられる価値意識について考察します。
「Fu-man insight lab™」のロゴマーク
※「Fu-man insight lab」は商標登録出願中です
第2弾「Withコロナ社会における、不満意識調査」主な調査結果
生活者の不満意識について、前回調査と今回の比較
①コロナ禍の現暮らしに不満を抱く生活者は97.2%と、前回の98.8%に対し大きな変化は見られなかったものの、高い不満を抱える人の割合は、前回より7.8pt低い33.6%となり、不満レベルは徐々に緩和傾向にあることが伺えます。
②性年代別では、10代~30代女性と50代男性を除き、不満レベル高の割合が前回よりも軒並みスコアダウンしており、全体の傾向と同様に不満レベルが緩和傾向にあることが伺えます。
③各カテゴリー別の不満意識を見てみると、前回調査時に比べいずれのカテゴリーにおいても不満意識は軒並みスコアダウンしており、不満が徐々に緩和されつつあることが伺えます。
一方で、不満上位TOP5に入るカテゴリーは前回と同様の傾向となり、スコアが高い順にレジャー、リフレッシュ、人との繋がり、衛生管理、ショッピングがランクインする結果となりました。但し、商業施設や飲食店の再開もあったことから"リフレッシュ"と"ショッピング"への不満は緩和傾向が強く、前回より10pt以上スコアダウンとなっています。
④より具体的な不満(自由記述回答)においても、"レジャー/趣味""人との繋がり希薄・孤立化""衛生"の項目に対する不満が多いことが伺えます。特に、"旅行・観光に行けない"のスコアは、前回調査時に比べ約2倍に、"感染対策が煩わしい"は約3倍に増加しました。更に、"転職・就職活動がしづらい" "子供の行事中止/家族での思い出が作りにくい" "冠婚葬祭などのライフイベントの縮小・延期"の3種類が加わりました。日常生活への段階的な復帰で不満が緩和された項目も出る一方で、前回に比べてより人生や思い出作りに影響を及ぼす新不満が見える結果となりました。
⑤ここまでの結果では、"コロナ禍に対する不満は緩和傾向"というポジティブな結果とも受け取れます。一方で、不満に対する許容意識の推移は、前回調査時よりも許容モードの割合が微減にとどまり、逆に不満鬱屈層の割合が微増する結果となりました。生活者にとって、再びできるようになったことが増える一方で、許容・順応しきれない部分も抱えている現状が伺えます。
生活者のライフスタイルの違いにおける不満意識比較
⑥今回は、新たにライフスタイル別に不満意識の差を調査しました。コロナ禍における新ライフスタイルの築き方も多様化する中、現況に対する不満レベルの高低差は、何気ないライフスタイルの違いが影響することが分かりました。コロナ禍においてもウェルビーイングな暮らしを意識的に実践することの重要性が見えてきます。また"配偶者とカレンダーを共有している"人はしていない人よりも不満レベルが低い結果となりました。在宅勤務において、家事の負荷に対する不満の声も大きい中、家族間でスケジュールをオープンにし、チームプレー体制を築くことが不満緩和術の1つとなりそうです。このように、コロナ禍でも不満を和らげて過ごすためのライフスタイルのヒントが見えてきます。
今回の調査結果を受けて
①不満の質にも少しずつ変化が見られた中、先述したWithコロナ社会で定着傾向にある5大不満テーマ(レジャー、リフレッシュ、人との繋がり、衛生管理、ショッピング)を中心に、ラボとして注目したい6タイプの"新Fu-man"さんを抽出しました。
②6タイプの中で、最もボリュームを占めるのは、「衛生エチケット意識格差にやきもき Fu-manさん」です。通学・通勤が再開し、人と直接会う機会も増えた中、良しとする衛生エチケットのボーダーラインは、人によって違います。社会生活における平均的な衛生マナー行動に共通認識が持たれていない現状においては、"なぜ、ここで除菌しないの?"とイライラしたり、"こんなところまで気にすると、友達に嫌がられないか?"と不安に思ったり、やきもきする心情が渦巻いているようです。続いて多かったのは、近所に友人・知人がおらず、独りで過ごすことが多くなった週末を愁う、「ワンマイル友達不足で、"愁末(シュウマツ)"恐れ Fu-manさん」です。"人との付き合い/繋がり"に対して、依然として高い不満が蓄積するWithコロナ社会において、徒歩圏内(ご近所)での人間関係の構築が、メンタルヘルスの観点でも重要度を増してきます。そんな中、ご近所コミュニティを確立できていない層(とりわけ単身若年世代)は、孤立化に怯えていることが伺えます。
調査結果の考察まとめ
今回の調査を通じ、不満の総量は第1回調査時とほぼ横ばい推移であるものの、不満高レベルの割合は減少し、不満度合いが徐々に緩和傾向にあることが伺えました。一方で、抱えている不満を安易に許容するモードにはなりきれていない生活者のリアルな認識も見て取ることができました。また、Withコロナ社会において定着傾向にある5大不満テーマ(レジャー、リフレッシュ、人との繋がり、衛生管理、ショッピング)を見出すことができました。これらテーマへの不満は第1回調査時においても存在していたものの、今回調査からは、時間経過とともに各テーマを取り巻く不満の質も変化していることが伺えました。ラボとして今回着目した6タイプのFu-manさんの中には、Withコロナ期という一過性的のFu-manさんタイプも存在すれば、デジタルトランスフォーメーションが加速したニューノーマルに引き継がれ定着するFu-manさんも存在すると考えます。ラボでは、今後も定期的な調査活動の実施より、ニューノーマルなBeyondコロナ社会において定着していく人々の価値意識を捉え、企業の新たなCX創造を支援・サポートしてまいります。
※1::2020年6月18日「With コロナ社会での顧客体験変革サポートに向け、高まる不満への察知力を強化する「Fu-man insight lab™」発足ー電通デジタル、第1弾「Withコロナ社会における、不満意識調査」を実施ー」発表資料
https://www.dentsudigital.co.jp/release/2020/0618-000507/
なお今回の調査では、本リリース記載データ以外にも、家事などのお家タスクに対する不満意識調査も実施しました。より詳細な調査結果については下記までお問い合わせください。
お問合せ先:fu-man_insight_lab@dentsudigital.co.jp
調査概要
- 調査時期:2020年8月1日~8月2日
- 調査対象者:全国の18歳~69歳(調査時)の男女
- 算出用サンプル数:500サンプル
主な調査項目
全体的な不満意識
- 暮らし全般に対する不満意識/レベル
- カテゴリー別不満意識
- 具体的な不満内容
- 不満に対する許容意識
お家タスク(家事)に対する不満意識
- 家事などお家タスクに関する不満
- 家事などお家タスクに関する不満(自由記述回答)
- 家の存在価値/家で過ごす時間の捉え方の変化
- コロナをきっかけに、家での過ごし方や家事の捉え方・コロナを経て、お家タスクの負荷軽減に向けて積極的利用したいと感じるようになったモノ/サービス
以上